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【株式会社BANDAI SPIRITS】“一番くじ”のデータマーケティング。なぜ、本音を読み取れたのか?

「昔は自前で会員の方に呼びかけ、直接聞いていました。しかし、そのやり方だけだと誰の“本音”か、わからない。

プラモデル、コレクターズトイ、キャラクターくじ、アミューズメント専用景品などの「SPIRITS(魂)」を込めた商品・サービスをグローバルに展開している株式会社BANDAI SPIRITS

中でも人気商材の一つ、ハズレなしのキャラクターくじである“一番くじ”。

販促の裏側では、WOWOWコミュニケーションズのデータマーケティングによる緻密な分析が行われています。

「お願いしたアンケート、データ取得、そして分析によって、方向性をガラッと変えました。」

人気商品の裏側で行われていた、データ・ドリブン・マーケティングの実態を伺いました。

※関連資料:インサイトの見つけ方

本音が聞けない。

━━━お二人の業務内容を教えてください

林氏

新しいIPの商品化を通じて、新規のユーザーを“一番くじ”に取り込むことが全体のミッションです。

人気のアニメだけでなく、日々、新しいIPを探しては商品化しています。

チームの中から「これはどう?」と候補があがってくるのですが…商品を作るのに年単位で時間がかかるため、一時の流行りではなく客観的にビジネスとして成立するどうかを判断しなければいけません。

その時、WOWOWコミュニケーションズさんのデータを活用して判断しています。

坂斉氏

“一番くじ”のプロモーションとオンライン販売のネット戦略を担っています。

これまではプロモーションとオンライン販売のチームが別々でしたが、今年から一緒になりました。

プロモーション担当がCRMの担当になったことをきっかけに統合し、私はNET戦略チームのマネージャーを担っています。

これまでに“一番くじ”をご購入いただいたお客さまを分析し、次のステップに進むための施策について試行錯誤を重ねています。

「一歩先を見た施策」を心がけています。

━━━“一番くじ”の商品企画はどのチームがやられていますか?

坂斉氏

役割としてはキャラクターのジャンルに応じて、林のような商品企画チームがいくつか編成されマーチャンダイジングを行っております。各宣伝やCRM戦略を私のチームで行う役割分担です。

━━━ユーザーの声は以前どのように収集されていましたか?

坂斉氏

“一番くじ”を販売しているお店にいって、お客さまに直接インタビューしていました。

また商品企画側でも昔は会員の方にお声がけし、直接ユーザーへお話を伺ったりもしていましたね。

しかし、関係者が聞くのだと「それ、本音?」と思うことが多々ありました。

また、どの購買層の意見であるかの目利きができず偏った意見になりがちでした。

「継続購入いただいている方」「意向はあるが購入いただけなかった方」「卒業してしまった方」など、幅広くネガティブな声も含めて忌憚のない意見が知りたいと思っていました。

なぜなら当時、“一番くじ”の販売数があまりよくなかったので、不調の要因を知る必要がありました。

現在購入してくださっている方のデータを見るだけでなく、買わなくなった方のデータも見なければと、課題を感じていました。双方の理由を、データとしてどう集めるかが大事かと。

※関連記事:“お客さまの本音”で施策を変えた事例3選

林氏

WOWOWコミュニケーションズさんにお願いしたアンケート、データ取得、そして分析によって、方向性をガラッと変えました。

以前、コア層へ向け過ぎていたIP選定や商品構成をライト層向けに変えたんです。

ライト層向けの商品については、1-2回購入してくださる方をどれだけ増やせるかに戦略を変えました。

ライト層、ひいてはマス向け(ファンになりたての方)に変えることで数字が非常に伸びました。コンビニでの売上も伸びましたね。

坂斉氏

販売状況が悪い時は厳しかったです。当初、チームとしての信頼が会社からなかったです。

あの時はWOWOWコミュニケーションズさんに「このデータがほしい」など、色々お願いしていました。

なぜ、WOWOWコミュニケーションズなのか?

━━━様々な調査会社やマーケティング会社がある中、なぜ、弊社を選んでくださったのでしょうか?

坂斉氏

WOWOWコミュニケーションズさんは、弊社の商材を深く理解してくださっています。「“一番くじ”とは何か?」と。

試行錯誤しつつ理解を深めてくださり、今では弊社の社員のような話し方をされていますね。

また実績がありますし、その後のプロモーションも一緒にできる。そしてフットワークが軽くて、話がしやすいです。

「ちょっと困ったな…」と、少し言いにくい相談内容も「一度、WOWOWコミュニケーションズさんに聞いてみる?」と社内ではなっています。困った時に、顔がぱっと浮かびます。

━━━ありがとうございます。弊社のアウトプットについてはいかがでしょうか?

林氏

「私はこうしたい。こういう活用をしたくて、こういう未来を描いている…」と伝えるだけで、WOWOWコミュニケーションズさんは希望通りに設計してくださいます。

また、お願いしていないデータもフォローしてくださいます。これが、社内の共有会や企画会議でスパイスになります。

作ってくださるグラフも使いやすく、細かい点も配慮してくださりありがたいです。

例えば「どれくらい人気か?」だけでなく、商品への欲求度や習熟度など、様々な角度でデータを出してくださいます。

他にも、情報取得数が多いのは10代だが実際の購買は20代が多いため、購買タイミングやブームに時間差がある、など商品特性に寄りそったデータも出してくださったりしましたね。

調査資料は社内でのプレゼンテーションだけでなく、弊社の営業が流通における説明材料としても使っています。

坂斉氏

一緒に取り組み始めた当初「専門用語は使わないでください」とお伝えした記憶があります。最終的には弊社内に共有する必要があるため、私たち以外もわかる報告書にする必要がありました。

最初はわかりにくい部分もありましたが、現在はいただいた資料をそのまま社内で活用しています。

※関連記事:“お客さまの声”を組織に共有する時、注意すべきこと。

200人に声をかけてデータ取得していた過去。

━━━現在は、データをどのように活用し、意思決定されていますか?

坂斉氏

販売が鈍い時はお客さまの意見を聞いて、改善しています。今はいただいたデータを元に答え合わせをしている感覚です。

以前は「データAとBを比べて、Aが人気だからAでいこう!」といった意思決定でした。今では「これが人気だと思う。データでも人気と証明されている」といった仮説を確信に近づけるような使い方です。

社内にノウハウがたまってきた結果、このような判断ができているかもしれません。

━━━弊社と取り組み始める前、調査会社にお願いせず自社でやっているのが意外でした。弊社と実施することにより、変わったことはありましたか?

坂斉氏

私は中途入社なので全てはわかりませんが、以前は弊社に好意的なお客さまと話して情報収集していました。

弊社にお招きし、部屋にはお客さまのお子さまも一緒にいつつ、弊社の社員と話すといった形です。

会話自体は弾みますが、辛辣な意見は出ませんでした。しかし、実際に幅広くインタビューすると、辛辣な意見も出てきます。

これが本音であり、販促にも活かせるデータだと思いました。

※関連記事:インサイトを見つける方法とデータマーケティング施策への活かし方

━━━今後、注力されていくポイントについて教えてください。

坂斉氏

さきほども似たような内容にふれましたが、初回購入されるお客さまを増やすことを大事にしています。

現在、Twitter、LINE、また“一番くじ倶楽部(公式サイト)”の会員など、各チャネルで数十~数百万人の登録者がいます。これはIP、ひいてはキャラクターの幅が広いので純粋に増えてきています。

ただ、継続して購入していただけるかはわかりません。

いかにしてロイヤル顧客になっていただくか。ここを分析し、戦略を立てなければなりません。

コアのお客さまを分析しておくのはミッションの一つです。これについては既にWOWOWコミュニケーションズさんに相談させていただいております。

またオンラインでの運用もしていますので、こちらも同時に動いています。

実績のないIPをいきなり店頭で販売するのはリスキーです。しかし、オンライン販売なら受注生産が可能になるため、リスクが最小限に抑えられます。

オンラインで実績を作り、分析し、好評であれば店頭に出す。

ベースは店頭ありきのビジネスですので、このあたりの分析をお願いしたいなと考えています。

※関連記事:ロイヤル顧客とは?リピート顧客と何が違うのか。

林氏

とにかく最近は人気の移り変わりが早いと感じていて、トライが大事かなと思っています。

データを確認し、成果をあげていく。移り変わりが早いビジネスですので、どうついていくか。

データをいただき、スピードと正確性にフォーカスしています。

先ほど坂斉からあったように、各チャネルの登録者は多いです。しかし「そこからエンゲージしている人数はどれくらいか?そもそも、いつ頃増えた登録者なのか?現在も熱量が高いのか?」など、見方次第で示唆が変わります。

施策の精度を上げることが、今後も重要となってくるかと。

━━━ここまで忌憚なくお答えいただき、ありがとうございました。最後になりますが、今後弊社に期待することはありますか?

坂斉氏

担当者の人柄って、重要だと思います。

「これ難しいと思いますが、いかがですか?」と、難しいお題を投げると多くの場合「無理です」と話が進まないこともあるかと思います。

しかし、WOWOWコミュニケーションズさんは「一旦、持ち帰って考えますね」と一緒に考えてくださいます。

オーダー以外のデータを提案時にくださったり、「こちらの方が役立つと思います」と要件定義を見直してくれたり、伴走してくださいます。

もちろん、持ち帰った結果「無理でした」ということもあります。「弊社でやると高くなりますよ」と率直に教えてくれたりもします。

「安い方がいいのでは?」となることもありますが「では、質はどうなの?」と。議論を進めた結果、今の関係性があります。

調査報告の質だけでなく、担当の方々の人柄がいいことも、WOWOWコミュニケーションズさんと一緒にやっている理由の一つなので、引き続き良いアドバイスをいただけると助かります。

この記事を書いた人

大川 祐太郎

2014年にWOWOWコミュニケーションズ入社。 カスタマーサポート、市場リサーチ、デジタルマーケティング等の顧客接を軸にしたセールスプランナーに従事。 現在は、営業企画を中心にBtoBのマーケティング領域を担当。

他にも、データマーケティング事例がございます。ぜひご覧ください。

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