DATA MARKETING
データマーケティング

ポジショニング戦略の作り方②:その要素、本当に重要?

課題を、深掘る

前回、戦略キャンバス作成に向けた要素を洗い出すための「14個の質問」を行いました。

次に、本稿では洗い出した各要素は「どれだけ消費者にとって重要か?」、要素の重要性を精査していきます。

各要素に問いかける質問は下記。

※ここでは問いかける対象の課題をAと表記

  1. 現在はAを解決するために何をしているのか?
  2. なぜ、その方法を取っているのか?
    ※Aを解決する方法は一つだけではない
  3. 外部の会社からサービスを購入している場合、なぜその会社に決定したのか?どこと何を比較したのか?
  4. どのような意思決定プロセスか?
    ※特に法人相手にビジネスを行う場合は誰がどこで情報収集をし、どう稟議を起案したか
  5. どこのチャネルから購入したか?
    ※代理店なのか、直販なのか、なぜそのチャネルにしたのか。そのチャネルからは他にどのようなサービスを買っているのか
  6. 導入後の効果はどうか。十分にAを解決できたのか、もしくは部分的な解決にとどまっており不満があるのか?
  7. 現在持っている不満は何か?
    ※これを聞く際には自分がもっている仮説をぶつけてみよう

本稿では、前回の記事同様「WOWOWコミュニケーションズの”コンタクトセンター”を、どのようにポジションすべきか」の問いに対して洗い出した要素の一つ「コンタクトセンターの質」を元に、実際にやっていきます。

※WOWOWコミュニケーションズのマーケティング事例はこちら

※ポジショニング戦略の作り方シリーズ

そもそも「コンタクトセンター」を求めている人の課題は何か?

自社製品・サービスの窓口であるコンタクトセンター。導入先の企業は、元々下記のような課題を抱えています。

  • 質:現状のコールの質が低い、品質維持、現状の改善
  • リソース不足(現状の不足、緊急時等の未来に向けたリソース投資含む)
  • SV(オペレーション不足、業務効率化、インフラ etc)
  • 質の判断(ミステリーコール等の調査)
  • *KPIの達成
  • コールセンターのコスト削減(品質向上によるコストの圧縮か)

※KPIの例:応答率(応答件数/着信件数x100)、ミス/クレーム率(過去2ヶ月間の発生ミス件数/過去2ヶ月間のACD呼数)、平均後処理時間、カウンセルングカルテ登録率、NPS、ミス・クレーム率

コンタクトセンターは、自社製品・サービスとお客様を直接繋ぎます。会社の顔、ともなるべき重要な顧客接点です。

では、上記課題の中で1つ目「コンタクトセンターの質が低い」を課題においた時、冒頭で取り上げた質問を当てていきます。

1.現在は「コンタクトセンターの質が低い」を解決するために何をしているのか?

手段としては、下記を想定できます。

  • 社内研修
  • 外部サービスを活用した研修
  • 質を測定するためのミステリーコール

質、という抽象的な事象に対して、主に研修による解決を図ることが多いです。

2.なぜ、その方法を取っているのか?その課題を解決する方法は一つだけではない。

次に、先ほど取り上げた手段をなぜ行っているのかを深掘ります。

なぜ、社内研修をしているのか?

コストを抑えられる、社内研修が習慣化している etc

なぜ、「外部サービスを活用した研修」をしているのか?

客観視が必要だから、外部サービスが社内研修より質が高いため etc

なぜ「質を測定するためのミステリーコール」しているのか?

客観視が必要だから、本番さながらでないと真に質を測定できないから etc

理由を探るためには社内での仮説構築やブレストも必要ですが、なにより、お客様に伺うことが最速で答えに辿り着けます。

3.外部の会社からサービスを購入している場合、なぜその会社に決定したのか?どこと何を比較したのか?

例えば「外部サービスを活用した研修」を行なっている場合、下記を考えなければなりません。

  • なぜそのサービスを導入したのか?
  • 自社を含めて検討したのか?そもそも、自社は検討外だったのか?
  • 他にはどのサービスと検討したのか?その中で、なぜそのサービスが選ばれたのか?

この質問もお客様に伺う必要がありますが、真に答えを知ることはできないでしょう。例えば、サービス導入先に知人がいた、破格の値段だったなど、答えにくい背景だったかもしれません。

ただ、事実自社サービスが導入されていないならば、ここから続く質問を元に解決策を考えなければなりません。

4.どのような意思決定プロセスか?

「コンタクトセンターの質が低い」ため「外部サービスを活用した研修」を活用した場合。意思決定プロセスは下記かもしれません。

  • お客様からコンタクトセンターに対してクレームをもらう
  • 調査すると、コンタクトセンターの質が低いことが発覚
  • 対処法を社内で議論する
  • まずはコンタクトセンター提供先企業に相談する
  • 知人伝手に「良い研修サービスはないか?」と聞いて回る
  • 「コンタクトセンター 研修」で検索する
  • 4~6のステップの中から抽出されたサービス候補を現場がまとめる
  • 現場がまとめた候補先を意思決定者に相談ないし商談に参加
  • 最終決裁者を含めた社内会議
  • 導入先への内示

この時「どのステップから自社は介入できるのか?」を考えます。上記はBtoBビジネスの場合ですが、BtoCでも同様です。

例えば「カフェを選ぶまで」のプロセスは下記かもしれません。

  1. 赤坂で営業訪問を終え、次の訪問まで2時間空き時間がある
  2. Google検索、Google Map検索、Instagramを使い、近場のカフェを検索
  3. 内観写真と口コミをチェックし、候補を選定
  4. 現在の距離、駅からの距離、混み具合から行き先を決定

一例ではありますが、上記の場合「2.Google検索、Google Map検索、Instagramを使い、近場のカフェを検索」が重要な要素となってきます。

SEO、MEO、ハッシュタグ最適化を事前準備していないと、意思決定プロセスに参入できません。

ゆえに、BtoBでもBtoCでも、購買意思決定プロセスを細分化し「どこでリーチできるのか?」を想定しておくことが重要です。

5.どこのチャネルから購入したか?

BtoBの場合、最終的な購買チャネルは商談ですが、その手前は様々なチャネルがあります。(ちなみに、tableauなどの月額数万円のSaaSは営業を介さず購入されることもあります。)

  • ウェビナー
  • 展示会
  • SNS
  • 内部メディア
  • 外部メディア

…etc

サービスによって有効なチャネルは変わってくるでしょう。導入先のお客様に伺う、競合がどのようなチャネルを活用しているのかチェックが必要です。

BtoCも同じです。例えば、先ほどのカフェの例では「Google,Google Map,Instagram」と、3つのプラットフォームが出てきました。他にもTwitter、もしかしたらTiktokかもしれません。

はたまた、赤坂に派手な看板を見つけて入店したかもしれません。

6.導入後の効果はどうか?十分に課題を解決できたのか、もしくは部分的な解決にとどまっており不満があるのか?

BtoBでもBtoCでも、既に競合サービスが導入されている時に気になるのが満足度です。満足していないならば、逆転できるチャンスがあります。

一方、満足している場合は差別化が必要です。ここで、ポジショニング戦略が重要となるのです。

7.現在持っている不満は何か?

不満足な点。または、現状に満足していても必ず”顧客が見えていない課題”はあるものです。ただ、この不満を特定するのが難しい。

なぜなら、繰り返しですが”見えていない”、つまり顧客自身も知らない可能性があるためです。

これを特定するために、様々な手段があります。中でも、数年前から注目が集まっているのが”データ”です。定性、定量データを組み合わせることで顧客の潜在的な課題を抽出します。

「コンタクトセンターの質」は、重要な要素なのか?

今回の場合「4.どのような意思決定プロセスか?」を見ていくと「質が低いと気づいた場合」、コンタクトセンターの質が重要な要素となる可能性が見えてきました。逆に言えば、質が低いことに気づかなければ、そこまで重要な要素になりえない可能性も見えてきます。

このように、ポジショニング戦略を設計する上で、一つ一つの要素を熟考し「本当にお客様にとって重要な要素なのか?」を洗い出します。

今回は「コンタクトセンターの質」に焦点を当てましたが、同様に「価格」「研修制度」など、前回の記事で取り上げた要素も同じく質問を当てていきましょう。

次回は、具体的に複数の要素を元に、いよいよポジショニングを明確化します。

ポジショニング戦略の作り方③:戦略キャンバス

※フレームワークなどの参照元

メルマガ会員募集中

弊社セミナーや最新記事の情報をお届けいたします。