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【株式会社JTBコミュニケーションデザイン】コンタクトセンター導入事例|「ただのコンタクトセンター…ではない。」コールの質がロイヤルティを生む、その理由とは?

【(株)JTBコミュニケーションデザイン】「ただのコンタクトセンター…ではない。」|コールの質がロイヤリティを生む、その理由とは?

「コールセンターとは、呼びたくなかった。」

大手金融会社の上位顧客向けの会員サービスとして提供しているコンシェルジュサービス。その裏側を担っているのが、株式会社JTBコミュニケーションデザイン コーポレートソリューション部プロモーション第一事業局です。

本サービスの根幹である、WOWOWコミュニケーションズが提供しているコンタクトセンターのマネジメントを行っているのが、今回インタビューにご対応いただいた宮下様、そして佐伯様です。

19年も続く、コンシェルジュサービス。

裏側では会員様を想像しながら勉強に励む現場と、ロイヤルティに対する真摯な向き合い方がありました。

その一部始終を、ご紹介します。

19年続く、カスタマーロイヤルティマネジメントとは?

━━━お二人の担当業務について教えてください。

佐伯様

私が属している部署は、プロモーション領域の全般を担当している部門です。

WOWOWコミュニケーションズのコンタクトセンターが対応してくださっている大手金融顧客向けの会員サービスを主に担当していて、運営管理を計10名ほどでおこなっています。

株式会社JTBコミュニケーションデザイン 佐伯様

私の役割は運営全体の統括で、かれこれ15年ほど従事しています。

宮下はシニアマネージャーで、さらに上段の統括になります。この会員サービスの創設を担当し、現在はその統括マネージャーのほか、地方創生事業など、さまざまなサービス開発や組織運営を担当しています。

━━━なぜ、御社のグループにて金融会社の上位顧客向けの会員サービスというカスタマーロイヤルティマネジメントサービスを始められたのでしょうか?

宮下様

カスタマーロイヤルティマネジメントは、かれこれ19年ほど続いているJTBコミュニケーションデザインのオリジナルメソッドです。

当時のJTBグループは多くの旅行代理店の中でも、富裕層クラスのお客様層との信頼関係が強く、結果的にリピート率や満足度の高さにも繋がっている、という強みがありました。

「なぜ、このようなサービスができているのか?科学してみよう。」という話が持ち上がったのがきっかけなんです。

お客様と我々従業員、お客様と会社のブランド、お客様と会社の商品…など、お客様と事業の間にあるさまざまな絆がどういうものなのかを徹底的に紐解き、可視化しようという発想が、カスタマーロイヤルティマネジメントサービスの始まりでした。

株式会社JTBコミュニケーションデザイン 宮下様

お客様アンケートやグループインタビューなどを元にしながら調査・分析を進めると、そこには、好感体験を提供できた場合には、感情の起伏が生まれるといったロジックが見えてきました。

結果、このさまざまな感情の起伏と変化が購買へつながったり、他者への推奨につながったり、最終的には長期的な購入・利用へと繋がっていることがわかりました。

そしてこのロジックが、弊社だけでなく、他のサービスにも横展開できるんじゃないか?ということから準備室が立ち上がり、サービス提供の開始につながりました。

営業活動の中で、某大手金融会社さまがお客様に特別な会社だと思っていただけるようなロイヤルカスタマー向け会員サービスをリニューアルしたいというニーズを伺いました。

そこで、当時のサービスにカスタマーロイヤルティマネジメントサービスを融合させ、サービスを組成してはいかがでしょうか?ということで始まったのが、この会員サービスのはじまりです。

開始当初は旅行や健康サービスを提供させて頂いていましたが、ビューティー系やレストラン予約のサービスなどライフサイクルの中に欠かせない様々なサービスの開発を進め更に特別な体験をしていただくリアルイベントを企画・運営することで、会員数の拡大と組織の活性化、お客様との“絆づくり“をおこなってきました。

今年で19年と、ここまで長く続くサービスはソリューションビジネスとしては珍しいと思います。

なぜ、WOWOWコミュニケーションズのコンタクトセンターなのか?

━━━サービス立ち上げ当初から、WOWOWコミュニケーションズのコンタクトセンターを使われていましたか?

宮下様

いいえ、初めは他社のコンタクトセンターにお願いをしていました。

サービスが拡大していく中で、キャパシティの観点からWOWOWコミュニケーションズさんにお願いすることになりました。

佐伯様

コンタクトセンター入れ替えの際、御社のデスクの皆さんには色々助けていただきました。

私は他社でコンタクトセンターの運営業務をやっていましたが、入社当時は、ちょうどサービス拡大が急速に進んでいた時期で、今まで体験したことの無いようなとんでもなく忙しい状況でした。

当時の状況をWOWOWコミュニケーションズさんと一緒に取り組み、乗り越えられたことは、今でも印象に残っています。

宮下様

思い返すと、大変な時期が二度ほどありました。

一回目はサービス導入をしてからの数年間。とにかく反響の入電数が多く、サービスの拡大が凄まじかった。

弊社のメンバーとWOWOWコミュニケーションズさんで協力し、毎日夜遅くまで入電の内容をやり取りしました。あの頃は本当に大変でした。

そして、サービスが軌道に乗ってきた際、二回目の忙しい時期がきました。このサービスをよりバージョンアップさせていくプロジェクトが立ち上がった時です。

「もっと先鋭化していこう」という話の中で、不可欠な要素として「“ロイヤルティ”コンシェルジュデスク」を目指していきました。

サービスを洗練していくためには我々だけでなく、オペレーターの皆さんだったり、スーパーバイザーの皆さんに対しても「カスタマーロイヤルティマネジメントは一体どういうものなのか?」というのも理解いただき、体感したうえで、日々会員様とやり取りをしていただきたいと考えたんです。

それこそが、「“ロイヤルティ”コンシェルジュデスク」なんだという考えのもと、弊社のメンバーが研修をし、実際にオペレーターの方とスーパーバイザーの方と議論を繰り返し、サービスを構築してきたのが、コンシェルジュデスクの本当の姿です。

株式会社JTBコミュニケーションデザイン 宮下様

佐伯様

本当に、無理を色々言いましたよね。

「サービスの案内や要件を承る、単なるコールセンターじゃない」ということを常々お伝えし、コンシェルジュの名に恥じないクオリティを目指しました。

徹底した研修、実際にイベント現場にも来ていただきサービスを体験していただくなど、コールセンターの仕事ではない部分も含めてサービスを洗練するお手伝いをお願いしました。

※関連記事:コールセンターの研修方法6選 | 種類別に内容とポイントを解説

━━━様々なタッチポイントがある中で、コンタクトセンターはどのような役割だったのでしょうか?

佐伯様

我々の中でコンタクトセンターは、このサービスにおいて最も重要なタッチポイントだと思っています。

お客様との間で、弊社の思いを全て託すところであり、サービスの“要“です。

会員サービスのイメージを具現化してもらっている場所なので、ここが崩れたらこのクラブは終わりだと思ってましたから。徹底してやっていましたね。

宮下様

この会員サービスにおいてコンシェルジュデスクは非常に重要な機能であり、すべての意味においてコンシェルジュデスクを中心に考えていますし、そこに違わないサービス品質を提供してくれました。

どんなに良いサービスを用意したとしても、コンシェルジュデスクが機能しなかったら何もならない。

株式会社JTBコミュニケーションデザイン 佐伯様 

佐伯様

だからコールセンターとは絶対に呼びたくなかった。

WOWOWコミュニケーションズさんにもコンシェルジュデスクというこだわりをずっと持ってもらっていたので、コンシェルジュデスクのメンバーの皆さんも他のいわゆるコールセンターの仕事とは違う感覚があったのではないでしょうか。

サービスをいろいろ体験してもらったり、外に出るのもコンシェルジュの仕事だということをWOWOWコミュニケーションズさんにお願いしていました。

イベントの受付や案内も一緒にしてもらったり、時には参加者として体験してもらってデスクで経験を生かしてもらったりと。

このサービスを今でも続けてこれているのは、WOWOWコミュニケーションズさんのおかげだなと本当に思っています。

デスクの質が高いのは、やはりWOWCOMカレッジの制度がしっかりしているからなのかなと。

昔からずっとすごいなと思って見ていました。弊社が安心してお任せできている材料の一つでもあります。

私たちはよくある1日1人あたり何十本取ってください、などの本数に特化したオーダーはこれまで一度もしていません。とにかく、質を大切にしてくださいとお願いしてきました。

マニュアルやトークスクリプトも用意はしますが、その通り読むのであれば機械でもできるので、あなたのキャラクターで会員様と向き合ってくださいと依頼し、実現してくれています。

株式会社JTBコミュニケーションデザイン 佐伯様 宮下様

━━━なぜ、WOWOWコミュニケーションズにコンタクトセンターを依頼しましたか?

佐伯様

宮下の方針がずっとそうなんですけど、そもそも内製で全て賄おうとは考えていませんでした。

いいものを作りたい。

そのためには、いいものに必要なコストをかけてサービスをともに作っていくと考えた時に、選択肢としてWOWOWコミュニケーションズさんに、となりました。

うまく安く実施しようとかいう発想は基本ないですね。

マインドの部分や、WOWCOMカレッジの研修メニュー・育成の仕組みなどの教育方針・制度などが決定的なポイントでもあったと思います。

またエンターテイメント系のお客様のお仕事もされていて、ホスピタリティ性には期待していたところがありました。

質、という面に期待してWOWOWコミュニケーションズさんにお願いしました。

━━━実際、質という面はいかがでしたか?

佐伯様

期待以上に、コンシェルジュの皆さんがものすごく勉強してくれて、非常に助けていただきました。

2010年当時は、様々なイベントを毎月4,5本やっていました。いわゆる富裕層の会員様向けの本格的なお茶会など、弊社のメンバーも携わったことのない、馴染みのないイベントも多かった。

例えばお茶会のイベントをやるとなったら、お作法もさることながら、裏千家?茶器?など、わからないことだらけで。でも、知らないと話せないですよね。お問い合わせをいただいた時に言葉も知らない、なんてことはあってはならない。

それをコンシェルジュの方々が勉強してくれてたんですよ。イベントの告知が出る1か月前くらいから全員で猛勉強をしてくれて。大変だったと思います。でもそれも楽しんでもらえていたかな。(笑)

宮下様

イベントの企画担当は、イベント内容が確定すると、コンシェルジュのみなさんの前で自分の作った企画の思いや売りを熱弁して説明するんです。

それをコンシェルジュのみなさんが理解し、自分なりにマニュアルを作り、勉強会をして、その後「これはどうしましょう?」など質問や提案を山ほどいただいて。

複数のイベントについて同時進行でコンシェルジュの皆さんが頭に全部叩き込んで対応してくれてたので、すごいことやっていますよね。

株式会社JTBコミュニケーションデザイン 佐伯様 宮下様

DXとロイヤルティの未来…不安と期待。

━━━御社のクライアント様である、大手金融会社からのコンシェルジュデスクの評価はいかがですか?

佐伯様

コンシェルジュという、ただのコールセンターじゃない会員様向け窓口であることをクライアントも理解してくださっています。

それこそ他社からWOWOWコミュニケーションズさんに移行した際は、最初は心配の声もいただきましたが、コンシェルジュデスクの運営する姿をご覧になり評価をいただく事になりました。

━━━今後、WOWOWコミュニケーションズに期待することはありますか?

佐伯様

この事業に関するコンシェルジュデスクはずっとこだわりを持って、丁寧なホスピタリティのサービスというところでやってきました。しかし、言ってみればすごくトラディショナルなスタイルをベースにしたままやってきているのも事実です。

これからのトレンドとしてどうなっていくかな、というのはありますよね。

自動音声チャットが出てきたりなど、コンタクトセンターの現場でもDXが進んでいます。

新規のお客様を開拓していくことも大事ですが、既存のお客様のロイヤルティをいかに高めていくか、というところはどの企業も引き続き大きな課題としています。

会員層や属性毎にあったサービスとしてどんなことができるかな、というのはここ何年かずっと思っています。

コンタクトセンターの現場へのテクノロジー導入には興味があるので、是非そのあたりの情報提供や推進について一緒に考えてもらえたら嬉しいです。

━━━宮下様はいかがでしょうか?

宮下様

弊社として難しいところは、ロイヤルティサービスは結局、長期的な継続がされないとうまくいかない施策です。

もう十数年前にスタートしたときから言われている話ですが、ロイヤルティサービスは費用対効果が単年では見えづらい。

要は3年、ないし5年ぐらいのスパンでサービスを見てくれないと、サービスが向上していっているかどうかという判別がつきにくいんですよ。

どこの会社も「LTVが大事」と言いますが、結局、みんなしびれを切らしてすぐ単年の費用対効果を追っています。

そこをちゃんとバランスを見てやってもらえるようなサービスを作らなければいけない。

弊社も、長期施策を導入しながら短期で見て取れるような施策を打ちつつ、それが循環して長期のLTVにも響くサービスを作っていきます。

株式会社JTBコミュニケーションデザイン 佐伯様 宮下様

※WOWOWコミュニケーションズのコンタクトセンター詳細はこちら

この記事を書いた人

大川 祐太郎

2014年にWOWOWコミュニケーションズ入社。 カスタマーサポート、市場リサーチ、デジタルマーケティング等の顧客接を軸にしたセールスプランナーに従事。 現在は、営業企画を中心にBtoBのマーケティング領域を担当。

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