DATA MARKETING
データマーケティング

“お客さまの声”を集める時の注意点は2つ。

“お客さまの声”を集める時の注意点は2つ。

要約「フリーアンサーで書いてもらうこと」「単発の取り組みで終わらせないこと」

“お客さまの声”を集める時の注意点2つ「フリーアンサーで書いてもらうこと」「単発の取り組みで終わらせないこと」

フリーアンサーの重要性:顧客に自分の考えを自由に表現させることが重要であり、これにより製品やサービスの強みや弱点を発見できます。

アンケートの継続的実施の重要性:一回限りではなく、定期的にアンケートを行うことで、例えば満足度指数の低下に気づくことができれば、解約前に満足度向上の施策を再度講じることができます。

ポジティブな声とネガティブな声の分別:ポジティブな声は同様の理由で集約されることが多いが、ネガティブな声は多様であり、それぞれを適切に分類する必要がある。

アンケートの頻度と期間:製品やサービスによってアンケートを実施する頻度や期間は異なり、それ以前に、LTV(顧客生涯価値)や継続期間を理解、把握することが重要。

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なぜ、フリーアンサーと単発で終わらせないことが重要なのか?

“お客さまの声”の収集は重要ですが、どのように注意深く行えば良いのでしょうか?

サブスクリプションサービス、教育サービス、コンテンツビジネスなど、多様なビジネスモデルにおける“お客さまの声”の収集経験を持つWOWCOMのプランナーによると、特に注意すべきは次の2点です。

一つ目は、アンケートでフリーアンサー形式を取り入れること。二つ目は、アンケートを単発の取り組みにせず、継続して行うことです。

では、なぜこれらが重要なのか?これらの背景を理解することで、より効果的に“お客さまの声”を収集できるようになります。

“お客さまの声”を集める時の注意点は2つ。

━━━前回は「“お客さまの声”の集め方」と題し、収集からアウトプットまで伺いました。“お客さまの声”を収集する中で、特に注意を払うべきことはありますか?

2つあります。

1つ目は、フリーアンサーで書いてもらうこと。企業側が意図した回答に集約させるのではなく、お客さまご自身が思っていることを自由に書いてもらうことが大事です。

このフリーアンサーの回答に、その製品とサービスの強みや良いところ、逆にマイナスになっている部分をみつけます。

2つ目は、“お客さまの声”を収集するアンケートを一回限りの単発の取り組みで終わらせないようにすること。

これはフリーアンサーだけでなく、“お客さまの声”を収集する項目の中に定点で観測していけるものも含めることが大事です。

例えば満足度であったり、NPS(ネットプロモータースコア)など、数値として定点で追っていけるものも必ず含ませておく。これにより、アンケートを続けていた時に全体としてどのような変化が出ているかを観測、分析しています。

あとは、サブスクリプションや会員制のビジネスなど、顧客が特定できている場合は、カスタマージャーニーの各ポイントで気持ちの変化を捉えることが可能です。

例えば、定点観測することで、解約するタイミングの直前で満足度が下がっていることに気づけます。満足度の低下に気づけることができれば、解約前に再度満足度向上の施策を講じることができます。

「フリーアンサーで書いてもらうこと」と「アンケートを一回限りの単発の取り組みにしないこと」の2点に注意を払いながら、“お客さまの声”を収集しています。

※フリーアンサー活用事例「【株式会社BANDAI SPIRITS】“一番くじ”のデータマーケティング。なぜ、本音を読み取れたのか?

そもそも、LTVや継続期間を把握できているのか?

━━━「フリーアンサーで書いてもらう」という方法において、お客さまからのポジティブな声とネガティブな声をどのように特定していますか?

まず、設問を通じて声を分別します。

例えば、「なぜこの製品やサービスを続けていただけているのでしょうか?」や「どうして当社の製品を購入されたのでしょうか?」といった質問は、ポジティブな反応を引き出す可能性が高いです。

対照的に、「どのように改善すればより良くなると思いますか?」のような質問は、ネガティブな意見を収集しやすいです。

この方法では、ポジティブな声とネガティブな声を効果的に収集するための導線を事前に設定しておくことが重要です。

━━━“お客さまの声”には様々な階層が存在します。「好き」の表現にも「好き」「めちゃめちゃ好き」「やばい好き」といったバリエーションがありますが、ポジティブとネガティブな声の階層や尺度を見極めるにはどうしていますか?

ポジティブな声、例えば「好き」という感情については、大きく区別しているわけではありません。一般的に、ポジティブな意見は同様の理由で集約される傾向にあります。

しかし、ネガティブな声はより多様性があり、分散しやすいです。根幹を揺るがすようなネガティブな声(例えば、製品の不備やクレームなど)と、製品やサービスから少し離れたもの(「買いに行った店に自転車が置けない」など)があります。

重要なのは、これらの声が事業の根幹に関わるものなのか、そうでないのかを見極め、分類することです。

━━━2つ目の「“お客さまの声”を収集するアンケートを一回限りの単発の取り組みで終わらせないようにすること」についてですが、どれくらいの期間、頻度で行うべきでしょうか?

これは製品やサービスによって異なります。

たとえば、3年ごとに顧客層が入れ替わるサービスがあれば、アンケートは3年周期で、定期的にフリーアンサー形式で実施するのが適切です。

一方で、使用サイクルが短い製品の場合は、より頻繁に、短期間ごとにアンケートを行う必要があります。

このように、アンケートの適切な期間と頻度を決定するためには、そもそも、最初に製品やサービスの「LTV(顧客生涯価値)」や「継続期間」を理解、把握しておくことが不可欠です。

※「LTV(顧客生涯価値)」と「継続期間」の特定および解析事例「【株式会社タカギ】CDP構築から顧客満足度要因の特定。そして、次のフェーズへ。

>>「インサイトを見つける方法とデータマーケティング施策への活かし方」に続く


“お客さまの声”を活用した事例

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スピーカー

横関 彩

2009年にWOWOWコミュニケーションズに新卒入社。 WOWOWカスタマーセンターの業務コーディネートやWOWOWの営業/プロモーション/広告・宣伝などを経て、アナログとデジタルのコミュニケーション設計やCDPの構築・導入・データ分析等を担当。現在はWOWOWで得たノウハウの外販展開を推進中。ポッドキャスト

インタビュアー

原澤 陽

合同会社HARAFUJI Co-Founder COO | 大学在学中の19歳より株式会社ギャプライズにてBtoCデジタルマーケティング、BtoBマーケティング、法人営業に従事。その後、チーターデジタル株式会社にて法人営業を経て、 現在は合同会社HARAFUJIの共同創業者として独立。BtoBマーケティングを中心とした戦略および戦術支援事業に従事している。登壇実績

この記事を書いた人

矢尻 真麻

2012年にWOWOWコミュニケーションズ入社。 入社後はWOWOWのSNS/WEBサイト/MAなどのディレクション業務を経験。現在はWOWOWでのノウハウを活かし、新規営業獲得に向けて企画推進中。

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