DATA MARKETING
データマーケティング

なぜ、“お客さまの声”は重要なのか?

なぜ、“お客さまの声”は重要なのか?

要約:「なぜ、その行動を取ったのか、行動データだけではわからないため」

フィードバックの重要性:顧客からのフィードバックは、行動データだけでは理解できない「なぜその行動を取ったのか」を読み解く上で重要。

アンケート収集チャネルの選定:収集する際のチャネルは、顧客が答えやすい方法を考慮して選定。内容によって異なる手法やチャネルを使用。

アンケート収集におけるデジタルと紙の違い:デジタルアンケートは設問数を多くしても回答率が落ちにくい。一方、紙のアンケートはより絞り込んだ質問を施策後に行うことで高い熱量のデータが取得可能。

フリーアンサーの重要性デジタルでも紙でも、フリーアンサーの設問を入れることで、製品やサービスに対する顧客の真の感情や意見、つまりは「本音」を引き出すことが重要。

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なぜ、お客さまは行動したのか?

顧客からのフィードバックが製品やサービスの開発において非常に重要であることは広く認識されていますが、その重要性の根底と適切な収集方法については多くの方が疑問を抱えています。

この点について、幅広い顧客からのフィードバックを収集し、それを具体的な施策に活かしてきたWOWOWコミュニケーションズの横関さんから、フィードバックの真髄に迫るお話をする機会がありました。

横関さんによると、フィードバックの核心は顧客の行動データの背後にある「本音」を解明することにあるとのこと。

彼女の説明では、フィードバックを効果的に収集し活用するための「紙とデジタルの使い分け」やその理由についても詳しく解説されています。このようなアプローチを通じて、企業は顧客のニーズをより深く理解し、製品やサービスを最適化することができます。

なぜ、“お客さまの声”は重要なのか?

━━━お客さまからのフィードバックは、なぜ重要ですか?

なぜ、顧客からのフィードバックが重要なのかというと「なぜ、その行動を取ったのか、行動データだけではわからないため」です。

今、企業ではDX化が進み、デジタル上での行動データが多く溜まってきています。最近ではこれらの行動データがあるのが当たり前で、みなさんは日々、行動データを元に分析をされているかと思います。

しかし「なぜ、その行動をとったのか?」まで深掘って顧客理解を進めるには、行動データだけでは不足しているのではないでしょうか。

「なぜ?」の部分を知るためにお客さまの声やフィードバックが大事になると考えています。

フィードバックの取得方法として、WOWOWコミュニケーションズでは定性アンケートによって行うことが多いです。お客さまに対して実際に、企業側から「どうしてそういう行動をとったのか?」「何で好きでいてくれるのか?」などを聞きます。


「なぜ、そういう行動をとったのか?」「なぜ、好きなのか?」を施策に活用した事例


━━━定性アンケートを取得する際、顧客とのタッチポイントとなるチャネルはどのように選定していますか?

収集の仕方やチャネルによって聞き方を変え、どうやったら答えを言っていただきやすいかなどを考慮し、チャネルを選定しています。また、何を知りたいかによって定性アンケートの取得方法とチャネルを変えることもあります。

当社は、WEBのアンケートでやることが多いです。アンケートフォームに、お客さまご自身で記入していただきます。

メールなどでフォームにご案内し、答えていただくという形になります。それ以外の方法だと、紙のアンケート、または対面によるインタビューがあります。

珍しいケースですと、お客さまのご自宅に訪問し、ご自宅の中でその製品の使い方や、実際の生活でどのように使うかを実演してもらうこともあります。

紙とデジタル、アンケートの仕方に違いはあるのか?

━━━紙とデジタルで、アンケートのやり方に違いはありますか?

まず、設問数が違います。デジタルの場合、クリックするだけの設問もあるため、設問数を多めにしても回答率は落ちにくいです。

一方で、紙のアンケートはデジタルに比べて回答に労力がかかるため「本当に聞きたい3~4つの質問」に絞り込みます。

運営側も回答者も、デジタルによるアンケートの方が楽だと思いますが、回答を頂くタイミングと回答者の年齢層によって、紙で行う方がメリットがあります。

たとえば、サービスを受けた後に聞くのと、後日、デジタルで回答をもらうのでは回答の熱量が変わってきます。また年齢層によってはデジタルより紙の方が回答のしやすさに差が出てきます。

そもそも、デジタルで聞くか、紙で聞くかは手段の話。

それ以前に「何を知りたいのか?」「何が目的なのか?」を整理し、その上で「どのようにセグメントの回答者を選出するか?」を整えた結果、デジタルか紙かを、当社のプランナーは判断しています。

━━━ 一方で、紙とデジタル、それぞれのアンケートの実施方法における共通点はありますか?

フリーアンサーを必ず入れます。

フリーアンサーにこそ、製品やサービスに対してどのような熱量や思いがあるかが現れます。

デジタルのアンケートで、プルダウンやチェックボックス式による回答方法は、回答者もアンケート収集側も労力がかからないメリットはあります。

しかし、お客さまからの回答をこちらで選択肢を予想した上で用意しているものになるため、回答結果が「調査の目的を達成できる内容」とならないケースが多い印象です。

要は、自ずと誘導尋問のような形になってします。

そうではなく、重要なのは「調査側が知らなかった部分、つまりは本音を引き出すこと」ではないでしょうか。

そのため、デジタルでも紙でもフリーアンサーを取り入れ、そこからインサイトの抽出を図っています。

>>「“お客さまの声”の集め方。最後は数万件を「人の目で見る」」に続く


“お客さまの声”を活用した事例

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スピーカー

横関 彩

2009年にWOWOWコミュニケーションズに新卒入社。 WOWOWカスタマーセンターの業務コーディネートやWOWOWの営業/プロモーション/広告・宣伝などを経て、アナログとデジタルのコミュニケーション設計やCDPの構築・導入・データ分析等を担当。現在はWOWOWで得たノウハウの外販展開を推進中。ポッドキャスト

インタビュアー

原澤 陽

合同会社HARAFUJI Co-Founder COO | 大学在学中の19歳より株式会社ギャプライズにてBtoCデジタルマーケティング、BtoBマーケティング、法人営業に従事。その後、チーターデジタル株式会社にて法人営業を経て、 現在は合同会社HARAFUJIの共同創業者として独立。BtoBマーケティングを中心とした戦略および戦術支援事業に従事している。登壇実績

この記事を書いた人

矢尻 真麻

2012年にWOWOWコミュニケーションズ入社。 入社後はWOWOWのSNS/WEBサイト/MAなどのディレクション業務を経験。現在はWOWOWでのノウハウを活かし、新規営業獲得に向けて企画推進中。

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