DATA MARKETING
データマーケティング

そもそも、ロイヤル顧客は定義すべきなのか?

そもそも、ロイヤル顧客は定義すべきなのか?

要約

ロイヤル顧客の定義の必要性:企業は新規顧客獲得に焦点を当てがちですが、既存顧客の維持・ロイヤル顧客の定義が重要であるとされています。特に、新規顧客の獲得が頭打ちになっている企業にとっては、ロイヤル顧客のセグメンテーションが役立ちます。

ロイヤル顧客の特徴と分析方法:ロイヤル顧客は通常、ブランドや企業のファンであり、複数のサービスを利用しています。定性データと定量データの両方を使用して、顧客の行動パターンと購買理由を分析します。

データ分析の重要性:顧客の行動理由を理解するためには、定性データの分析が重要です。アンケート結果と行動ログを照らし合わせ、ロイヤル顧客の特徴的な行動パターンを特定します。

ロイヤル顧客への施策の効果ロイヤル顧客に対する効果的な施策は、新規顧客獲得にかかるコストよりも低く、高い利益をもたらす可能性があります。また、顧客獲得単価の削減と売上の増加に貢献します。

施策の実践例:例えば、メールマガジンや広告のポップアップの活用など、定性データに基づいた施策が効果的であるとされています。これにより、ロイヤル顧客の増加と、低コストでの高利益の実現が期待されます。

全4回にわたって「ロイヤル顧客」に焦点を当て、成果に繋がるデータマーケティングの裏側をご紹介

1.ロイヤル顧客とは?リピート顧客と何が違うのか。

2.そもそも、ロイヤル顧客は定義すべきなのか?

3.コロナ前後で“ロイヤル顧客の特徴”に変化はあったのか?

4.【失敗談】ロイヤル顧客を定義する中で苦労したこと。

動画で聴く

獲得単価を抑え、高い利幅を生むロイヤル顧客

「新規顧客獲得だけに投資を続けて大丈夫だろうか?」というご相談をよくいただきます。

WOWOWコミュニケーションズでは、CDP等を活用したデータマーケティングのみならず、オフラインも含めたフリーアンサーによるアンケートも利用することで、インサイトを導き出し、マーケティングの成果に紐づけてきました。

ポイントは“顧客の行動パターン”を捉えておくこと。

実際にパターンの分析を行ったマーケターに、ロイヤル顧客がビジネスに与えるインパクトについて教えてもらいました。

新規顧客を獲得できてこその、ロイヤル顧客。

━━━そもそも、ロイヤル顧客は定義すべきでしょうか?

必要と思ったら、やるべきです。

WOWOWコミュニケーションズにご相談として頂くケースの多くは「サービスを継続して使ってほしい」「離反を抑止したい」といった課題です。

この課題を持っていらっしゃる企業はフェーズとして、新規のお客様を獲得するところが頭打ちになっていることが多い。または「新規顧客獲得だけに投資を続けて大丈夫だろうか?」という疑問が芽生えてきている方々。

お問い合わせのきっかけとしては、「上司から言われました。」「新設の部署ができました。」などのケースがよくあります。

WOWOWコミュニケーションズのデータマーケティングサービスでよくある問い合わせ

  • サービスを継続して使ってほしい
  • 離反を抑止したい
  • 新規のお客さまを獲得するところが頭打ちになってきている
  • 新規を獲得し続けるだけでいいのか悩んでいる
  • 投資を新規顧客に当て続けてよいのか決めかねている
  • 上司より指示を受けた
  • 新規で部署が出来たため
  • データマーケティングのやり方が分からない etc

まとめると、特に「ロイヤル顧客を定義したいです」という相談より、「どうやったら長くサービスを継続してもらいますか?」というようなご相談を頂くケースが多いです。

このような課題背景の中、ロイヤル顧客を定義した方が課題解決できるならば定義すべき、だと考えています。

いきなり定義しても、実感がないと言いますか、そこの必要性に気付かない。

今、新規が取れているならば、そこにあまり目が向かないケースが多いです。

新規獲得がある程度うまくいっていて、既存顧客のデータが溜まり、少し伸び悩んだぐらいのタイミングで定義するのはいいと思います。

一方、新規顧客獲得がうまくいっていないタイミングだと、ロイヤル顧客をセグメンテーションしていられるような状況ではない。

企業側から顧客を選んでいられるような場合ではない状態ですので、この場合もロイヤル顧客を定義するよりも、優先度の高いことがあるでしょう。

━━━ロイヤル顧客が持つ典型的な特徴、行動パターンは共通点はどのようなパターンがありますか?

様々な業態のお客さまの分析をさせていただいて思うのは、複数サービスがある中で、一つのサービスだけのファンというよりかは、ロイヤル顧客の方はブランド自体や企業のファンになっているケースが多い。

なので、複数のサービスを利用しているケースが多いです。

━━━ロイヤル顧客が「ブランドないし企業のことが好きである」というのは、どのように判断されていますか?

前回お話ししたのと同じで、データ分析の中でサービスを複数またいで利用しているかどうかのデータを見ていきます。

━━━ロイヤル顧客を定義する時に何か注意してること、意識してることはありますか?

熱量を見ることが多いです。

頻度やリピート、契約してる期間もある程度定量的な閾値ができます。これに加えて、そのセグメントが製品やサービスであり、ひいては企業に対してどれぐらいの熱量を持ってるかっていうのも一緒に見るようにしてます。

ロイヤル顧客とは?リピート顧客と何が違うのか。

後は定性アンケートを用いて、認知のきっかけ、どのようにサービスを利用しているのか、他のサービスに利用が広がったきっかけは理由は何か…このような点を分析します。

アンケートは全員から取れるものではありません。

たとえば、「この方はすごくファンでいてくれてるよね」という熱量の高い人のアンケートと、実際の行動ログなどを照らし合わせてみる。

そうすると、ファンの人は「こういう行動パターンを取ることが多いんだ」という教科書みたいなケースが幾つかできます。

これらのケースに似た人、似たような行動をとってる人は「ロイヤル顧客かもしれない」という形で、ロイヤル顧客として定義しています。

ロイヤル顧客は、収益につながるのか?

━━━ロイヤル顧客のパターンは似通ってきますか?

今までやってきたケースですと、似てくるケースが多いかなと思います。

ロイヤル顧客の中でもパターンがわかれます。たとえばロイヤル顧客Aパターン、Bパターン、といった形です。

購買金額、購買頻度といった定量データによってパターンを分けることもありますが、やはり定性データが重要です。ここを見ていかないと、売上といった成果につながらない。

定性データの何が重要かと言うと、顧客が「何でその行動をとったのか」というのがわかること。

行動の結果を見てると「この購買頻度で、これだけの購入金額なのか…」といったことはわかりますが、「何で買ってくれているのか?」というところは、やはり本人に聞かないと分からない。

恐らく、定性データの分析が、施策に繋がるヒントの要素において最重要となります。

定量データだけ、というよりかは、そのお客さまの熱量とか、何でその行動を起こしたかっていうところが、成果を出すための次のアクションに最も繋がりやすい。非常に大事です。

━━━ロイヤル顧客を定義して施策を行うことで、ビジネスの成果につながりますか?

繋がると思っています。

ロイヤル顧客、ひいては既存顧客でいてくださるお客さまは、新規顧客を多く集めてくるよりも、実はその方達に継続して利用してもらった方が、一人当たりの顧客獲得単価が安く済んでいます。

ロイヤル顧客への施策を最適化することで、コストを抑えつつも、利益が出ます。

新規顧客を追い求めるだけではなく、きちんとロイヤル顧客や既存のお客さまに「いかに好きでいてもらい続けるか」というところは経営にもインパクトがあるのではないでしょうか。

WOWOWコミュニケーションズが支援しているサービスでも、定性データ分析をしつつ、実際に顧客獲得単価および売上の寄与を計測し、ROIを確認しつつ「次はこのような施策を打っていこう」といった話ができています。

たとえば、例えばメルマガをやります、広告でポップアップを出しますという時に、定性データで集めた「何でそれが効いてるのか?」というところがキーワードとして活用します。

いずれロイヤル顧客になるであろうパターンが見えているので、このパターン毎に、顧客とのタッチポイントでロイヤル顧客の「購買理由」をクリエイティブに活かすことで、ロイヤル顧客が増える。

そして、結果的に低コストで高利益が出せる。このような流れで取り組んでいます。

>>「コロナ前後で“ロイヤル顧客の特徴”に変化はあったのか?」に続く

全4回にわたって「ロイヤル顧客」に焦点を当て、成果に繋がるデータマーケティングの裏側をご紹介

1.ロイヤル顧客とは?リピート顧客と何が違うのか。

2.そもそも、ロイヤル顧客は定義すべきなのか?

3.コロナ前後で“ロイヤル顧客の特徴”に変化はあったのか?

4.【失敗談】ロイヤル顧客を定義する中で苦労したこと。


ロイヤル顧客の事例

メルマガ会員募集中

コンタクトセンター・データマーケティングに役立つノウハウや事例、

また最新のセミナー情報をお届けいたします。

スピーカー

横関 彩

2009年にWOWOWコミュニケーションズに新卒入社。 WOWOWカスタマーセンターの業務コーディネートやWOWOWの営業/プロモーション/広告・宣伝などを経て、アナログとデジタルのコミュニケーション設計やCDPの構築・導入・データ分析等を担当。現在はWOWOWで得たノウハウの外販展開を推進中。

インタビュアー

原澤 陽

合同会社HARAFUJI 執行役員。大学在学中の19歳より株式会社ギャプライズにてBtoCデジタルマーケティング、BtoBマーケティング、法人営業に従事。その後、チーターデジタル株式会社にて法人営業を経て、 現在は合同会社HARAFUJIの共同創業者として独立。BtoBマーケティングを中心とした戦略および戦術支援事業に従事している。

この記事を書いた人

矢尻 真麻

2012年にWOWOWコミュニケーションズ入社。 入社後はWOWOWのSNS/WEBサイト/MAなどのディレクション業務を経験。現在はWOWOWでのノウハウを活かし、新規営業獲得に向けて企画推進中。

メルマガ会員募集中

弊社セミナーや最新記事の情報をお届けいたします。