DATA MARKETING
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FAQの作り方は「お客様視点」がポイント!疑問に先回りして答えよう

企業のホームページや通信販売のカタログなど、さまざまなものに掲載される「FAQ」。すでに多くの人になじみ深いものとなっていますが、質問・返答の内容や、掲載の方法が必ずしもお客様が求めているものになっているとは限りません。今回は、お客様へのサービスの一環として提供する、FAQを適切に作り込むためのポイントを紹介します。

FAQとは

FAQとは「Frequently Asked Questions」の略称で、直訳すると「よくある質問」のことを指します。お客様からひんぱんに寄せられる質問と、回答をまとめたものといえるでしょう。一方で、「FAQ」と混同されやすいのが「Q&A」です。これは「Questions and Answers」の略称であり、直訳すると「質問と回答」となります。こちらはお客様から質問に対して、回答とワンセットで紹介する「一問一答」形式のものであり、FAQとはややニュアンスが異なります。しかし、実際にはFAQとQ&Aの形式が類似することも多く、お客様から届いた質問のなかから、特に頻度の高いものを厳選したものがFAQと考えるとよいでしょう。

また、一問一答形式のQ&Aは、ホームページやカタログに掲載できる数に限りがあるため、実際には、よくある質問に絞られることも。その場合、FAQ とQ&Aは同じものを意味することになります。また、FAQとQ&Aのどちらも、実際にお客様から寄せられた質問をもとに作成するケースもあれば、よくある質問を想定して設問を考えるケースもあります。

FAQを掲載する利点

FAQを作成・掲載する事情は企業によって異なりますが、一般的には以下のような利点が考えられます。

企業側の手間・コストの低減

商品やサービスについて疑問を持ったお客様が、カスタマーサポートに問い合わせをすることになれば、対応に必要なスタッフの人数や所要時間が増え、それだけコストがかかります。多くのお客様が疑問に思う点とそれに対する回答をあらかじめ提示しておけば、問い合わせの数を減らし、コスト削減の一環として役立つでしょう。

回答内容の統一

カスタマーサポート部門では、お客様からの質問に対する回答のマニュアルが用意されているのが一般的でしょう。しかし、それ以外の部署に問い合わせがあった場合、マニュアルが常備されていないことから対応したスタッフによって回答が異なってしまう可能性があります。FAQを作成することで、すべての社員が情報を共有でき、どの部署であっても同じ回答が可能です。

サービスの質の向上

お客様が商品やサービスについて疑問を持った際、すぐに回答が得られない環境にあると、購入をとどまったり、不満を覚えたりする可能性があります。たとえカスタマーサポートへ問い合わせがあったとしても、混み合っている場合には、お待たせしてしまうことになるでしょう。そうした状況をできるだけ回避するためにも、FAQによって情報を公開できれば、お客様自身で問題を解決することができるかもしれません。FAQの存在がお客様の時間を節約し、お客様満足度の向上につながるサービスの一環として役立ちます。

お客様視点のFAQの作り方

FAQはお客様にとってはとても便利なものですが、企業側にとっては手間やコストの低減といった条件を前提として作成するため、「企業の伝えたいこと」を中心にまとめてしまいがちです。しかし、それではお客様が本当に求めている回答とずれてしまっている可能性もあり、満足いただけないケースもあるでしょう。

FAQを作成するにあたり、最も大切なのは「お客様視点」で考えることです。企業側の視点ではなく、お客様に満足いただけるようなFAQとはどんなものか、作成時に注意したいことを以下にまとめました。

疑問点の抽出方法

FAQは、お客様が疑問に感じる点を厳選する必要があります。お客様が気になる疑問や悩みを抽出することから始めてみましょう。代表的な方法は以下のとおりです。

  • 過去に寄せられた質問を参考にする
    これまで実際にお客様から受けた質問のなかから、数の多かったものをチェックします。新しい商品やサービスの場合は問い合わせ自体が少ないかもしれません。そうした際には同様の商品やサービスへの質問を参考にするとよいでしょう。
  • お客様や営業担当者から情報を集める
    お客様へのアンケートやインタビューを実施し、疑問点や悩みを直接確認するのもよいでしょう。また、普段お客様と接している営業担当者などに、お客様からどんな質問を受けたのかを確認するという方法もあります。
  • シミュレーションを行う
    スタッフが実際に商品やサービスを使用して、どの段階でどんな疑問が生じるかをチェックしながら、特に気になった項目をまとめます。
  • FAQへのアクセス数を調べる
    すでに公開されているFAQをリニューアルする場合には、質問ごとのアクセス数をチェックし、より閲覧回数の高いものを優先して作成します。

FAQを掲載するうえでの留意点

設問事項が決定できたら、今度はお客様にとってより確認しやすい提示方法を検討してみましょう。

  • 自分の知りたい回答が探しやすいか
    お客様はできるだけ早く問題を解決したいもの。知りたい情報を素早く検索できるかどうかは重要なポイントです。Webページなら、メニューがわかりやすい位置にあるか、明瞭に体系化がなされているか、といった点に配慮してください。質問・回答のボリュームによっては、フリーワード検索、チャットボットなどの活用も考慮するとよいでしょう。
  • 文章がわかりやすいか
    簡潔にわかりやすい文章になっているかを確認しましょう。専門用語が含まれている場合、かみ砕いた表現や説明文を加えることで理解してもらいやすくなります。必要に応じて図や表、イラストなども活用してください。
  • ほかの情報がすぐに見つかるか
    お客様の疑問点がすぐに解決するとは限りません。関連情報をすぐに探せるように、類似する質問内容をまとめたページを紹介したり、マニュアルダウンロードのボタンを設置したりするなど、疑問点をできるだけスピーディーに解決できるよう、工夫しましょう。

最近では、Webページ用のFAQ 作成ツールを利用して、より質の高い内容を厳選することもできるようになりました。FAQの利用状況をアクセス解析できるものや多言語対応可能なものなど、さまざまなツールがあるため、必要に応じて利用を検討してみましょう。

お客様の立場で考える

FAQを作成する際には、過去の情報を参照するだけでなく、お客様の疑問に先回りして答えられるように意識することが大切です。これから作成する場合も、すでに作成している場合も、「お客様視点」であることを再確認しながら、定期的な見直しを実施したいものです。

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