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【WOWCOM式 チームの動かし方 #1】新しいチームの「最初の30日」で、リーダーがやること

更新日:
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要約

立ち上げ最初の30日でやるべきは「ゴールの設定」
新プロジェクトの立ち上げでまず行うのは、チームが目指すゴールの明確化です。行き先を示さなければチームは動き出せないという考え方を、旅行の比喩で解説します。

属人化と仕組み化の棲み分け
ソーシャルスタイルなどの分類は仕組みとして活用しつつ、仮説が外れた先の「人を動かす最終局面」は属人的な対応が欠かせません。AI時代における両者の線引きを掘り下げます。

リーダーが初日に取るべきたった一つの行動
数多くのチームを率いてきた経験から導く初日の行動は、意外にも「挨拶」です。その背景にある「存在承認」の重要性を語ります。

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概要

新しいチームやプロジェクトを任されたとき「何から手をつければメンバーが動き出すのか?」と悩んだ経験はないでしょうか。 

目標を示しても動かない人がいるのは、今やどの現場でも起こりうることです。

本記事では、コンタクトセンターで数多くのチームを立ち上げ、率いてきたリーダーの実践知をもとに、立ち上げ30日でやるべきことから、属人化と仕組み化の棲み分け、そして信頼を得る初日の行動までを整理しました。 

本稿では、チーム立ち上げにおけるゴール設定・メンバー対応・初日の行動を、具体的なシミュレーションを交えて解説します。

【WOWCOM式 チームの動かし方 シリーズとは?】

「WOWCOM式 チームの動かし方」は、厳しいコンタクトセンターの現場で培った「人を動かすノウハウ」を説くマネジメントシリーズです。AI時代に不可欠な組織実行力を高めるため、チームの「立ち上げ・運用・育成」の知見を深掘りします。

https://youtu.be/DQ3egVU-Aa4

スピーカー

関口 早奈恵

CRM本部WOWOW事業部コンタクトセンター課 WOWCOM College 兼務 | 業界経験25年、コンタクトセンター構築・運営事業に従事。カスタマーセンター札幌拠点の運営管理者として、クライアントとの折衝や施策立案~実運用までを担当。現在は管理者育成・テクノロジー活用の推進を中心に、運用の全体的な後方支援にも注力。

インタビュアー

原澤 耀

合同会社HARAFUJI Co-Founder COO | 大学在学中の19歳より株式会社ギャプライズにてBtoCデジタルマーケティング、BtoBマーケティング、法人営業に従事。その後、チーターデジタル株式会社にて法人営業を経て、 現在は合同会社HARAFUJIの共同創業者として独立。BtoBマーケティングを中心とした戦略および戦術支援事業に従事している。詳しくはこちら

立ち上げ最初の30日でやるべきは「ゴールの設定」

━━━これまで数多くのチームを立ち上げ、率いてこられたなかで、最初の30日間でメンバーに対して必ず行っていることは何でしょうか。まずはゼロベースで立ち上げるケースからお聞かせください。

ゼロベースで「今日から新しいプロジェクトです」という場合、最初の30日ほどでメンバーに対して行うのは、目指すゴールを設定することです。

例えば、チームのメンバーに「みんなで旅行に行くぞ」と言ったとしても、どこへ行くのかを伝えなければ、旅行には行けません。目指す場所が東京なのか、横浜なのか、沖縄なのか、まずはそこを設定しなければならないのです。

━━━目標にはレベルや幅があると思います。この「目指すところ」は、クライアント企業が目指すものとは別物なのでしょうか。

そこは必ず紐づけます。目的地が決まったうえで、電車で行くのか、バスで行くのか、徒歩で行くのか、ヒッチハイクで行くのか、という手段の話だと捉えています。

新しいプロジェクトが立ち上がり、メンバーが集まったら、クライアントが関わっている場合には「このプロジェクトのクライアントは○○です」「クライアントが求めていることはこうです」と伝えます。

そのうえで「WOWCOMとしてこのプロジェクトを立ち上げるので、この活動を通じて自分たちの会社に期待されていることはこうです」ということもセットで共有します。

クライアントの期待と、自社への期待の双方を最初に共有することが重要です。

目標の大きさと難易度をどう伝えるか

━━━クライアントは東京を目指したいが、チームには現時点でそこへ到達する実力がない、というケースもあると思います。目指すものの大きさや難易度を、どのように伝えていくのでしょうか。

私の場合は、まず「東京を目指す」ということは必ず伝えます。

そのうえで、どう目指すかは実力次第です。チームに十分な力が備わっているのであれば「最短で東京を目指しましょう」と伝えますし、まだ力が足りない状態であれば「今のメンバーで最短は難しい。だからまずはここまでを目指したい」と段階を示します。

ただし、リミット(納期)は動かせません

動かせないからこそ、チームメンバーと一緒に「どうすれば1日でも2日でも早く到達できるのか」を考えます。みんなの力を借りながら方法を一緒に考えていく、という形です。

━━━そもそも、それでチームは動くものなのでしょうか?

最初は動かないことが多いです。プロジェクトでメンバーが集まる際には、たいてい1〜2名は前向きに取り組むメンバーがいるので、まずはそうした積極的なメンバーに引っ張ってもらいます

一方で慎重なメンバーもいますが、慎重には慎重の理由があります。リスクを洗い出すうえでは、慎重なメンバーの視点こそ必要なので、そこで力を貸してもらいます。

チームがどこに向かうかを考える前に、メンバーが事前に分かっているなら、それぞれの強みと弱みを把握しておきます。完全に初対面のメンバーで構成されるなら、目標や目指す場所を共有しつつ、一人ひとりの強みと弱みをしっかり把握し、どうチームを作るかを考えていきます。

メンバーの「解像度の差」への対応

━━━最終的な目標は同じでも、その解像度は人によって異なります。明確に理解できている人もいれば、あまり見えていない人もいる。相手に合わせて柔軟に対応するのか、それともチェックリストなどで定量的にコントロールするのでしょうか。

最初から解像度が高い方については、会話の回数を減らすというより、1回あたりの時間を短くします。1から10まで説明する必要がない分、密度を上げて対応するイメージです。

━━━できる方との時間を良い意味で削減し、その分の工数を解像度が低い方に充てる、ということですね。そのフォローはご自身が行うこともあれば、サブリーダーに任せることもあり、状況に応じて変わるのでしょうか。

そうですね。状況に応じて変わります。

━━━その調整は難しそうですが、どのように行っているのでしょうか。

チームである以上、一人ではどうにもならないので、サブリーダーの存在が非常に重要だと考えています。

サブリーダーと十分にコミュニケーションが取れていれば、人によっては、いきなりチームリーダーから呼ばれるよりも、まずサブリーダーと話した方が自己開示しやすい場合があります。

そうしたケースでは、サブリーダーに先にフォローへ入ってもらい、「この方の解像度が低くなっている理由はこのあたりです」と情報を共有してもらいます。

その課題がサブリーダーだけで解消できるならそのまま対応をお願いし、自分も入った方が良いと判断すれば、サブリーダーと本人、私の3人で話します。このようにフォーメーションを柔軟に変えながら、少しずつ解像度を高め、一緒に前へ進んでいくイメージです。

属人化と仕組み化の棲み分け

━━━今のような判断は、かなり属人的な判断なのでしょうか?

属人的な部分もありますが、世の中にはさまざまなタイプ診断がありますよね。WOWCOMではソーシャルスタイルを全社的に多くのチームで活用しているので、ある程度その情報をベースとして持っています。

━━━目標を示しても人が動かないとき、「ここは属人的に対応する部分」「ここは仕組みで対応する部分」を、どのように棲み分けているのでしょうか。

前提として、統計的なフレームで仕分けていきます。ソーシャルスタイルのようなタイプ仮説を土台にしつつ、そのうえで一人ひとりに向き合っていく、という流れです。ここから先は、具体的なシミュレーションでお話ししたほうが分かりやすいと思います。

ソーシャルスタイルを軸とした、属人的マネジメント

━━━例えば、私(聞き手)はドライビングタイプで、ロジックで伝えれば動くはずです。それでもロジックで伝えて意外に動かない場合、どうしますか。

まずドライビングなので、ある程度ロジックで動いているはずです。

そして、ドライビングの裏にはアナリティカルな分析気質も入っていると考えます。数字や根拠がないと動きませんし、その数字が自分の中で腹落ちしていないと動かない、というタイプが多いのです。

そこで、根拠を含めて渡した数字について、「この数字をもとにこう動いてほしいと思っていたが、何か足りない情報があるのか、納得できない数字があるのか」と聞きます。

足りない情報があるならこちらで集めますし、納得できない数字があるなら「あなたに情報を集めてほしい」とお願いします。「この数字はおかしい、納得できない」となれば、数字集めを本人に委ねることで、物事が一歩前進するかもしれません。

━━━ドライビングの人だが少しアナリティカル寄りかもしれない、と当たりをつけたのは、仕組みですか。それとも経験上の直感ですか。

ソーシャルスタイルの4象限でいうと、アナリティカルとドライビングは近い位置にあります。なので、そちら寄りかもしれないという、ある程度の根拠をもってお話ししています。

━━━ではアナリティカルな面で不満を持っているのではとアプローチしたものの、それが違った場合はどうしますか。

違うのであれば、「今ある数字に納得できなくて動けないわけではない」と確認できます。そこで一つ仮説が潰れるわけです。

となると次は感情的な部分、つまりエミアブル的な何かが邪魔している可能性を考えます。「今回これが進まないことについて、何かモヤモヤしていることはないですか」「本来なら動けるはずのあなたの足を引き止めている、足かせのようなものがあるんじゃないか」といった形で話をしていきます。

━━━エミアブル寄りの仮説も外れた場合は、真ん中寄りのバランス型という仮説を立てていく。つまり2026年のAI時代になっても、最終的には属人的に仮説を立ててコミュニケーションを取ることは変わらない、という認識でしょうか。

そうですね。今は変わらないでいた方が良いと思います。特に、こうしたやり取りをチャットのような文字ベースで行うと、文字の行間を読まなければならず、かえって工数がかかると考えています。

AI時代でも属人的コミュニケーションが必要な理由

━━━AIで効率化と言いながら、AIを触ること自体が目的化してしまい、振り返ると時間もかかって品質も悪い、という事態になりかねないわけですね。

そうですね。例えば、今のやり取りをすべてチャットで行っていて、最後に相手が「分かりました。大丈夫です」と送ってきたとします。その場合、この「大丈夫」が何に対する大丈夫なのかを、あらためて紐解かなければいけません。

━━━仕組みという観点で、ほかに何かありますか。

今お話ししたソーシャルスタイルと同じように、4象限で分類するようなフレームは、ある程度使い勝手が良いと思っています。

━━━基本的には、ソーシャルスタイルがポジショントークでもなく、シンプルで汎用性が高いから採用している、ということですね。

そうですね。

リーダーが初日に取るべきたった一つの行動

━━━今日チームを立ち上げ、明日がリーダーとしての初日だという方もいるかもしれません。メンバーから信頼を得るために、リーダーが初日に取るべき行動を一つ挙げるとしたら何でしょうか。

先ほどの4つのタイプについて「こういう人がいるんだ」という知識を事前に持っておくのは良いことです。自分と違う人がいるからこそ良いチームができる、という心構えを持っておいてほしいですね。もちろん、チームで目指すゴールも伝えてほしいです。

そのうえで、少し意外なことをお伝えすると、初日にやってほしいのは本当に「挨拶」だけです。

私たちは小学校の頃から「挨拶をしましょう」と教わりますが、大人になってから、なぜ挨拶が必要なのかを改めて考える機会はあまりありません。

よく承認欲求という言葉が使われますが、それは「すごいね」「頑張ったね」と認めてほしい気持ちです。その気持ちはとても大切ですが、承認欲求の土台にあるのは**「存在承認」**だと思っています。「あなたがそこにいてくれていいんだよ」「来てくれてありがとう」という承認です。

チームに配属された人も、本当は不安かもしれませんし、「このチームで大丈夫かな」と思っているかもしれません。だからこそ、その不安を解消するためにも、まずは挨拶を通じて「ここに来てくれてありがとう」「いてくれてありがとう」という姿勢を見せてほしいのです。

━━━やはり基礎ということですね。まずは挨拶をして、お互いの存在を認め合うことが大切なのですね。

そうですね。リーダー自身も緊張していますし、こちらが挨拶をしても、相手から返ってこないかもしれません。それでも、そこは気にしていても仕方ありません。リーダーの側から「みんなを認めているよ」という姿勢を示すこと——初日はまず、そこから始めてほしいと思います。

まとめ:立ち上げ30日でリーダーがやるべきこと

ゴールの設定
立ち上げの最初の30日で行うべきは、行き先=ゴールの明確化です。クライアントと自社への期待に紐づけて共有することが起点になります。

リミットは動かさない
目標の難易度は実力に応じて段階化しても、納期だけは動かしません。だからこそ、到達方法をチームと一緒に考える姿勢が生きてきます。

解像度の差はフォーメーションで埋める
理解度の高い人には時間を圧縮し、低い人にはサブリーダーを起点に工数を配分します。柔軟な体制変更で全員の解像度を引き上げます。

属人化と仕組み化の棲み分け
ソーシャルスタイルで仮説を立てる部分は仕組み化し、仮説が外れた先の「人を動かす局面」は属人的に対応します。AI時代でもここは変わりません。

初日の行動は「挨拶」
信頼獲得の第一歩は、存在承認としての挨拶です。返ってこなくても、リーダーから認める姿勢を示すことが出発点になります。

まとめ
チームを動かすリーダーシップとは、仕組みで再現できる部分を土台にしつつ、最後は一人ひとりの存在を承認する属人的な関わりで人を前へ進める営みだといえます。

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