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コールセンターのロープレとは?効果・種類・進め方まで徹底解説

更新日:

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【要約】ロープレは実践力と安心感を育む多機能トレーニング

ロープレの基本とその効果:
ロールプレイングは実践前の重要な準備であり、オペレーター自身の疑問や課題に気づく機会になります。実際の会話をシミュレーションすることで、座学だけでは得られない理解と対応力が養われ、業務デビュー時の戸惑いを大きく減らすことができます。

ロープレの種類と進め方:
ロープレはシチュエーション設定に基づいたケース型が中心で、管理者向けのコーチングや問題解決型など難易度に応じたバリエーションも存在します。実施時には真剣な雰囲気づくりと、明確な評価基準に基づいた観察が必要です。

心理的ハードルの軽減とAI活用:
ロープレの継続実施により、特にクレーム対応への苦手意識が薄れ、「怖くない」と感じるオペレーターが増加。近年ではAIによる過激な応対のシミュレーションも導入され、実践的かつ安全なトレーニング手法として注目されています。

ロープレは“現場で使える力”を育てる最短ルート

コールセンターで新人研修を行う中で、「座学では理解していたのに、いざ会話になるとうまく話せない」といった声を耳にすることはありませんか。
実際の現場では、想定外の質問や緊張により、対応がスムーズに進まないことが少なくありません。

そうした課題に対し、効果的なアプローチのひとつがロールプレイング(ロープレ)です。
本番を想定したシミュレーションにより、対応力や伝達力、心理的な準備を高めることができます。

この記事では、ロープレの効果や種類、具体的な進め方までを実例とともにご紹介します。

スピーカー

富樫 雄太

SNSマーケティング会社、研修会社などを経て、2016年に(株)WOWOWコミュニケーションズへ入社。部門のマネジメントに当たる傍ら、クライアント企業の品質改善のコンサルティング/人材育成/品質調査/フィードバック等を担当。

インタビュアー・ライティング

猪越 みなみ

2023年WOWOWコミュニケーションズ入社。 過去カスタマーサポート、BPO業務のソリューションセールスに従事。 現在は、営業の経験を活かし、BtoBマーケティング領域の営業企画を担当。

コールセンターにおけるロールプレイングの役割とは

━━━ロープレは営業や接客業など様々な場面で行われますが、「コールセンターにおけるオペレーターのロープレの役割やその効果」について教えてください。

まずは、実際の応対のシミュレーションですね。研修で話を聞くだけではイメージがつきにくいですが、ロープレを通じて「どんな言い回しをすればいいか」「この言葉の意味は何だろう」といった気づきが得られます。実際に声に出してみて初めて、自分の中にある疑問や課題が見えてくるんです。

━━━実践に向けたシミュレーションで、業務デビュー時の戸惑いを減らせるということですね?

そうですね。ロープレは「心のワクチン」みたいなもので、やっておくことでいざ本番でも「あ、これロープレでやったな」と思い出せる。緊張しても再現性が持てるのは大きいです。

━━━当社業務では、デビュー前に必ずロープレを実施しているのですか?

はい。スクリプトを配布し、2人1組で読み合わせをしています。読み合わせは、業務に入る前の必須プロセスです。

ロープレの効果と必要性

━━━WOWCOM Collegeの研修でもロープレは取り入れられているのでしょうか?

電話応対の基礎やクレーム対応など、ほとんどの研修でロープレを実施しています。また、管理者向けの研修でも「フィードバックをする側」と「受ける側」に分かれて実施することがあります。

━━━やるとやらないとで差は出ますか?

全然違いますね。座学で理解したつもりでも、いざやってみるとうまくできないことが多い。言葉が繋がらない、話の流れがちぐはぐ、伝わらない。そういった気づきはロープレでしか得られません。
頭で理解していても、実際に人とやり取りをすると想定外のことが起きます。だからこそ、イメージトレーニングだけでは不十分で、実践的な練習が必要なんです。

ロープレのパターンとレベル設計

━━━ロープレにはどんな種類があるのですか?

ケース型ロープレが基本です。特定のシチュエーションに基づいて、設定に沿った応対を行います。管理者向けのFB研修も同様です。また、問題解決型のワーク的なロープレもあります。
たとえばSV昇格試験では「部下がやる気をなくしている」という設定で、管理者としてどうコーチングするかを8分間で実演してもらいます。より実践的な内容です。

━━━難易度の高いロープレもあるのですね。

はい。AIを使ったロープレや、劇団員がクレーム対応を演じるものもあります。本気度の高い演出で、精神的なトレーニングにもなります。

実施の手順と注意点

━━━ロープレはどのような手順で行うのですか?

まず目的に応じたシチュエーションを設定し、それに沿ってスクリプトなどの資料を準備します。実施時は2人ペアでロールを交代しながら進め、必要に応じて審査員が評価します。評価の観点は業務内容や目的によって異なりますが、たとえば、デビュー判定のためのロープレであれば、最低限の応対ができるか、生産性に問題はないかといった点を見ます。

━━━実施時に気を付けるポイントはありますか?

仲の良い同士だとついふざけてしまいがちですが、本番を想定して真剣に取り組めるような雰囲気作りが必要です。管理者がしっかり目を配ることが大切です。

ロープレがもたらす変化と成果

━━━実際にロープレを継続することで、現場にはどんな変化がありましたか?

特にクレーム対応のロープレ後は、「安心した」「怖くなくなった」という声が多く聞かれます。ロープレを経験しておくことで、心理的なハードルを下げられるのは大きいですね。

━━━新人・ベテランに関係なく効果はあるのでしょうか?

ベテランの方には不要な場合もありますが、クレームに苦手意識がある方には非常に効果的です。段階的に慣れていくことで、実際の応対力も高まります。

━━━ロープレの経過観察などもされているのですか?

ロープレそのものというより、業務での応対が問題なくできているかを見ています。あくまでロープレは手段であり、目的は「実践での成果」です。

AIを活用したロープレの進化

━━━最近ではAIを活用したロープレも取り入れられていると伺いましたが、具体的にどういったものですか?

特にカスハラ対策など、精神的な負担が大きいシーンのロープレではAIの導入が進んでいます。たとえば、AIの音声が暴言を吐く設定にして、オペレーターがそれに応対する練習を行うものです。


相手がAIであれば、内容が過激でも受ける側の心理的ダメージが軽減されるため、実践的かつ安全にトレーニングができます。

今後、AIが活用される場面が増えていくと考えています。

【まとめ】コールセンターのロールプレイングで現場力を高めるポイント

実践的な経験が成長の鍵
ロールプレイングは座学だけでは得られないリアルなやり取りの感覚を養う重要な手段です。実際に声に出して練習することで、自分の課題や改善点に気づきやすくなり、業務デビュー時の不安を軽減できます。繰り返し行うことで実践力が確実にアップします。

多様なロープレパターンで応用力を鍛える
ケース型ロープレだけでなく、問題解決型やAIを活用したシミュレーションなど、さまざまな方法があります。これによりクレーム対応や難しい場面でも対応力が身につき、精神的な耐性も養えます。段階的に難易度を上げることで、着実にスキルアップが図れます。

管理者の適切なサポートとフィードバックが不可欠
ロールプレイングは単なる練習ではなく、管理者がしっかりと雰囲気を作り、真剣に取り組ませることが大切です。評価やフィードバックを通じて成長を促し、現場での実践成果につなげることが、現場全体の質向上に直結します。

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