【カバヤ食品株式会社】分散していたお客様の声を可視化。アウトソーシングで実現した顧客対応の進化
「お客様の声が見えるようになり、製品改善につながりました」
「タフグミ」や「塩分チャージタブレッツ」、「セボンスター」など、幅広い世代に親しまれる菓子や玩具を手がけるカバヤ食品株式会社。同社のお客様相談室では、メールや電話を通じて日々寄せられるお客様の声を分類・活用しきれていないことや、SNS上でのリスク投稿への対応に課題を抱えていました。
こうした課題を背景に、WOWOWコミュニケーションズはコンタクトセンター業務のアウトソーシングを支援。
VOC(お客様の声)データの整理から、SNSリスクを検知する体制づくり、さらには代表電話や物流受付業務の集約まで、幅広くサポートしています。
本記事では、導入の背景から選定理由、導入後の変化、そして今後の展望について、品質保証部の鈴木様、峰松様のお二人にお話を伺いました。
分類200項目に埋もれる“声”、SNS対応にも限界が
━━━お二人の役割やお客様相談室の位置づけについて教えてください。
鈴木様
私自身は入社以来カバヤ食品一筋で、茨城県にある関東工場で生産現場を4年、その後品質管理課を8年経験した後、2025年11月から岡山本社のお客様相談室で勤務しています。
お客様相談室は品質保証部の中にある部署で、製品の品質や安全性などの向上につながるヒントを得る機会となる「お客様との直接的なやり取り」が最も重要な役割だと思っています。お客様からのご要望やご質問、製品の不具合に関するお問い合わせに対し、対応する者によって差が出ない平準的かつ安定的な対応によって、お客様にご納得いただくことを大切にしています。

※所属部署は2026年6月時点
峰松様
私は昨年3月に入社し、国内外問わず組織横断での最適化を担う役割として携わってきました。その中で、お客様対応の品質やデータの取り方と活かし方といった面に改善の余地があると感じました。例えば、お客様の声が社内の他部署とうまく連携できていない、実際の声が届かないことで製品に反映できていないという課題があったと感じています。

※所属部署は2026年6月時点
━━━どのような課題があったのでしょうか。
峰松様
お客様の声を拾う仕組みはあったのですが、ご要望やご意見などがすべて混在した状態で記録されていた上に、その記録を集計したり表にまとめたりすることができていませんでした。また、集まったお客様の声を分類するための項目数が合計200項目以上と非常に多く、あまりに細分化されすぎていたため、傾向を可視化することが難しい状態でした。
お客様相談室としては、データは持っているのに大量にあって整理できていないので、必要な声が埋もれてしまう。マーケティング部門などの他部署からすると、どんな声が来ているかわかりにくいという状況になってしまうため、その課題が解決できる最適な運用に悩んでいました。
━━━収集・整理以外での課題感は何かございましたか。
鈴木様
カバヤ食品の各ブランドのXアカウントはマーケティングチームがPR用に運用しているのですが、そこに製品の不良を訴える投稿や、画像付きのお問い合わせが寄せられることがあり、うまく対応できていないという課題がありました。
また、SNSへの投稿を監視する体系的な仕組みがなく、昨今の状況も踏まえて、この分野への備えが必要だと感じるようになりました。
なぜ、WOWOWコミュニケーションズなのか?
━━━外部委託を検討したきっかけを教えてください。
鈴木様
ひとつは、他社の事例や一般的な運用方法を知りたかったということがあります。自社内だけで進めていると、自分たちのやり方が正しいのかどうかを客観的に判断できず、改善することができません。WOWOWコミュニケーションズ様は多くの他社事例や実績をお持ちでしたので、その情報を参考にしながら自社の対応品質向上につなげられると考え、パートナーとして選ばせていただきました。
もうひとつは人員体制の問題です。交代要員や急な欠勤への対応などを含めて、お客様相談室に社内だけで多くの人員を割くことは難しいという実態がありました。そこで多くのオペレーターさんを抱えるWOWOWコミュニケーションズ様であれば、柔軟に対応していただけると感じました。
また近年「カスタマーハラスメント(カスハラ)」が問題視されている中、会社には度を超えた申し出から社員を守る責任がある一方、限られた人員体制では対応が難しい面もあります。そのような状況の中で、当社の相談に対して豊富な経験に基づいたアドバイスをいただけたことも、導入を後押しした要因の一つです。
━━━お客様相談室の業務以外も、弊社にご依頼いただいているとお伺いしているのですが、こちらの導入の経緯はいかがでしょうか。
鈴木様
もともとは、お客様相談室の対応から始まりました。ただ、必要な人員規模や運用方法を検討する中で、専任体制を組むには対応量とのバランスの面で課題があると感じていました。そこで相談させていただいたところ、代表電話や物流受付など、これまで社員が対応していた受電業務もあわせて集約できることが分かり、委託業務の範囲を広げることにしました。
その結果、社員が行っていた受電業務の負担を軽減できただけでなく、外部からの電話対応を一本化することができました。また、オペレーターの手が空いてしまう時間も減り、双方にとって無駄の少ない効率的な運用体制を実現できたと感じています。

VOC活用から業務範囲拡大まで。導入後の変化とは?
━━━お客様相談室の受電業務委託を開始した後、社内にどのような変化がありましたか。
峰松様
起きた「要因」と対応した「結果」を分けて分類し直したことで項目も整理され、集まったお客様の声の傾向が可視化できるようになりました。一部過去分のデータも新しい項目に分類し直すことによって、わかりやすく社内に声を伝えられるようになり、製品改善に役立ったと感じています。
特に「塩分チャージタブレッツ」については、1日の摂取目安に関するご意見が多く寄せられていたことが明確になり、マーケティング部門に共有したところ、「これだけ摂取目安に関しての声が多かったのか」と皆が驚くほどでした。
結果として、ホームページの表現を見直す動きにつながりましたし、玩具製品では、パッケージと中身の違いによる誤解を防ぐための表示の見直しや製品改善につながりました。以前から現場では感覚的に把握していた声を、きちんとデータとして発信できるようになったのは、WOWOWコミュニケーションズ様のお力によるところが大きいと感じています。
また、WOWOWコミュニケーションズ様独自の管理システムを用いることで、私たちの業務に合わせた分類項目や入力方法、レポートの形まで柔軟に変更していただけて助かっています。
━━━課題として感じられていたSNS対応については、いかがでしょうか。
鈴木様
リスクワードの検索と報告を1日2回、午前と午後に実施いただいており、カバヤ食品に関する投稿を早期に検知する体制を整えています。あわせて、お客様相談室名義でのXアカウントを新たに立ち上げ、リスクに関する投稿があった際には正規の窓口へ誘導する取り組みも始めています。
今は、お客様の行動も色々な選択肢が取れるようになった中で、できるだけ正規な方向で素早く対応することが求められると感じています。そのため、後手後手の対応にならないよう先手を打つことを意識しています。その取り組みをWOWOWコミュニケーションズ様と新たにやらせていただいていることが、他社にはない特徴だと思います。
峰松様
当社は1978年から海外のミニカーブランド『マジョレット』にお菓子を付属させて日本で販売してきましたが、今年4月からお菓子を付けずにミニカーだけの販売を始めました。この新しい事業に対するお客様のニーズや声にはどのような傾向があるのかなどについても教えていただいています。
製品の特長やラインアップに対する要望がSNS投稿上にたくさんあるので、そういった声を拾えることで、製品開発やファンイベントの実施にあたって、参考にさせていただいています。

━━━さまざまな形で弊社とお取組みさせていただいておりますが、皆さまや社内の方の“業務効率”といった面では変化はございましたか。
峰松様
今回依頼させていただいた社外からの代表電話の受付は、多くの企業と同様、若手社員が担当することが多く、フリーアドレスや在宅勤務も進む中で対応が属人化し、様々な不具合が発生しがちでした。今は電話対応から解放されたことで、本来の業務に集中できるようになり、スキルアップにつながったという声を多く聞いています。
また転送メールもルール化され、チーム全体に共有される仕組みになったことで、担当者が不在でもチームでフォローできるようになりました。記録がきちんと残るようになったことで、「言った」「言わない」といった連絡上のミスも大きく減ったと感じています。
カバヤ食品では広報やマーケティングに力を入れており、テレビ出演の打診やコラボのお声がけなど、営業関連の連絡が増えました。以前は個人宛に転送を重ねる中で情報が埋もれてしまうこともありましたが、優先度に応じて「すぐ転送すべき案件」と「週1回まとめて共有する案件」を分けていただき、タイトルの工夫もしていただいたことで、必要な連絡にすぐ気づけるようになりました。
例えばメディア関連の連絡は週5、6回ほど発生することもありますが、共有した情報が埋もれることなく、担当部署がスピーディーに対応できるようになったので大変助かっています。

━━━お客様相談室自体の“業務効率”について取り組んでいることがあると伺いましたが、現在の取り組みを教えていただけますか。
鈴木様
季節性の強い製品である「塩分チャージタブレッツ」が最も売れる夏場は、1日の摂取目安に関するお問い合わせが特に多く、応答率の低下が課題となっていました。そこで6月から、摂取目安に関する定型の回答を自動音声で案内し、それでもオペレーターと話したい方はそのままお繋ぎする、という自動ガイダンスをテスト的に導入しています。
ただし、自動化の対象にするのは問い合わせ件数が多く簡潔に回答が可能な一部の問い合わせに限り、それ以外については人による対応を大切にしたいと考えています。お客様の年齢層や、店頭で購入いただく消費財という商品特性もあり、電話でお問い合わせをいただくケースが多いのも当社の特徴です。
文字だけのやり取りでは強い調子になりやすい一方、実際に電話で話すと、最初はお怒りだったお客様が最後には「丁寧に対応してくれてありがとう」とおっしゃってくださることも多く、対話の持つ力を感じています。
━━━我々の取り組みや応対で、印象に残っていることはありますか。
峰松様
社内の掲示板で月に一度「KABAYA-FAN LETTER(通称 カバファン)」として、お客様からいただいた感謝の声を発信しています。製品に対するお褒めの声だけではなく、初期の応対やお客様対応などへのお褒めの声も多く、WOWOWコミュニケーションズ様と当社が取り組んできた対応がお客様に評価されていると感じています。
WOWOWコミュニケーションズ様には、対応したお客様に当社や商品への親しみを深め、ファンになっていただけるような対応をお願いしていますが、その期待に十分応えていただいていると感じます。あわせて、スーパーバイザーやリーダー、オペレーターの方々の人柄も良く、生活に身近なお菓子というカテゴリーにマッチした方々を配置していただいているのだと実感しています。
また、こちらの要望がまだ漠然とした段階であっても、意図を汲み取って具体的な選択肢まで提示していただけるので、とても決めやすいと感じています。一般的な状況も教えていただきながら、ご提案いただける場面も多く、進めやすいです。

今後の展望と期待することとは
━━━今後、弊社に期待することを教えてください。
鈴木様
この1年ほどで、マニュアルにない対応が必要になった際に連絡していただき、都度こちらの意図を共有しながら対応を積み重ねていく、という体制が少しずつ構築されてきました。今後もこれを継続しながら、想定されるお問い合わせへの回答をあらかじめ固めていくことで、その都度の連絡をいただくことなく運用いただける体制になればと考えています。
製品理解についても、必要な情報は余すところなく提供しますので、カバヤ食品の一員として、自分の言葉で回答していただけるような関係を築いていきたいです。折り返しによる対応をできるだけ減らし、いただいたお電話をその場で解決できる体制に近づけていければと思っています。
峰松様
今年4月には、『マジョレット』ブランドにおいて、当社初の自社ECサイトを立ち上げました。この立ち上げの際にも、一般的な運用事例やオペレーションについてアドバイスをいただき、大いに参考にさせていただきました。組織横断でさまざまな部署に関わる中で、海外進出に関するご相談もさせていただいています。
今後もECサイトの運用や海外展開の検討など、お客様相談室の枠を超えたご相談をさせていただく機会があると思います。我々だけでは気づけないアドバイスをいただけるパートナーとして、引き続き頼りにしています。

※お電話でのお問い合わせ | 0120-808-434