DIGITAL MARKETING
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【事例インタビューNo.1(前編)】お客様のキモチを知れば、マーケティングが生きる 進化を続けるコンタクトセンター最前線

WOWOWコミュニケーションズが提供するコンタクトセンターサービスは、お客様がその商品やサービスに対して何を期待しているのかという「キモチデータ」の収集を何よりも大切にしています。コンタクトセンターを直接お客様と接することができる機会ととらえ、率直な気持ちを聞き出し、商品開発やプロモーションに生かそうという狙いです。WOWOWコミュニケーションズ営業部営業1課の渡邊博課長に「大切なお客様接点を預かるコンタクトセンターの最前線」について伺いました。

期待と現実のギャップを探れば、ファン離れを防ぐことができる

従来の「コールセンター」は、クライアントからお客様のリストを預かって電話をかけたり、お客様からの注文の電話を受け取ったりするのが仕事でした。しかし、このモノが売れない時代、新規に購入されるお客様を獲得する以上に、既存のお客様を囲い込むことの重要性が高まっています。そこで、お客様との接点をマーケティングに生かそうという「コンタクトセンター」としての役割が求められるようになりました。

WOWOWコミュニケーションズがコンタクトセンターとして大事にしているのが、お客様インサイト(深層心理)です。お客様インサイトのことを「お客様のキモチデータ」と呼び、オペレーターがどのようにコミュニケーションすればお客様の本音を聞き出せるか、綿密に設計しています。

特に知りたいお客様のキモチデータは、商品やサービスを買うときに「何に期待しているのか」という購買の動機、つまりトリガーです。この時のお客様はキモチが最も高まった状態です。さらに、実際に手にした商品や体験したサービスが、期待と比べてどうだったのか、その期待と現実の間のギャップを知ることも重要です。ギャップがわかれば、お客様が購入する時のキモチを維持できるように、商品開発やプロモーションを改善することができるからです。

ロイヤルティを高める購入後のOne to Oneエンゲージメント

こうして、「ヒト」「モノ」に加えて、「キモチ」のデータを導き出し、商品やサービスのロイヤルティを高めるための施策をクライアントと一緒に考えます。結果として、お客様の離反(契約解除)を抑止することが可能になるわけです。この離反抑止のノウハウを、データを適宜更新することによって、常にベストのソリューションを提供することを目指しています。これがWOWOWコミュニケーションズのコンタクトセンターサービスが他社の展開する「コールセンターサービス」に勝る強みです。

コンタクトセンターは、お客様と商品やサービスとの出会いの「入り口」の役割を担います。せっかく、出会いの場でうまくいって購入していただいたとしても、継続したお付き合いができなければ、ROI(投資に対する効果)は上がっていきません。それには、入り口のところで、VOC(お客様の声)をしっかりと把握しておくことが大切になるのです。

入り口で情報が得られれば、継続的にお客様とコミュニケーションをとることで、お客様が「商品やサービスを止めます」という状況になったとき、最初のキモチとのギャップや気持ちの変遷がわかり、どうすれば引き続き利用いただけるかの対策を立てることができるわけです。

さらに、こうしたキモチデータをデータベースとして蓄積することで、さまざまな分析が可能になります。また、恒常的なプロモーション活動により購入件数を増やしたり、お客様のタイプを分割・分類(クラスタリング)したりすることで、効果的なキャンペーンを打つことが可能になり、高い打率で離反抑止や新規獲得につなげることも期待できます。One to Oneエンゲージメントの実践です。

失注の情報をマーケティングの「宝」に 発想の転換が成功を導く

お客様とのコミュニケーションで、これまでは無視していた失注(受注に至らなかった案件)の情報に焦点を当てて成功するケースもあります。ある健康食品の通販会社の依頼を受け、受注受付業務を請け負った時のことです。コンタクトセンターで、お客様の課題や商品を使う動機などを分析しましたが、なかなか商品の購買率が改善しません。原因は商品自体かプロモーションのやり方にあると推測されたので、断られたお客様に対し、その理由を尋ねる活動を展開しました。

成約は3%で、あとの97%が失注の案件です。どうして契約を止めるのかを聞くうちに、ある相関性が見えてきました。健康食品を摂取する際に、説明書に記載されたやり方を実践するとうまくいかなかったケースが多かったのです。クライアントに、この情報をフィードバックし、プロモーションの方法と商品の改良を提案し、購買率が飛躍的に改善しました。

もし、失注の情報をこれまで同様に無視していたら、原因は埋もれてしまい、永遠にわからなかったかもしれません。こうした埋もれてしまいがちなネガティブなVOCを、コンタクトセンターで丹念に拾い上げていくことで、業務を改善し、大きな効果を生むことが可能になるのです。下流にあるコンタクトセンターが、上流にある商品開発やプロモーションの流れを変えることができるのは、ナレッジや分析力、コンサルティング力を兼ね備えているからであるといえます。

従来の「コールセンター」は、クライアントからお客様のリストを預かって電話をかけたり、お客様からの注文の電話を受け取ったりするのが仕事でした。しかし、社会が成熟すると、新規のお客様を獲得するのと同じくらい、すでに購入していただいているお客様と長いお付き合いをしていくことが重要になっています。お付き合いを続けるために、多くの企業は多額の費用をかけ商品の寿命やニーズについての仮説を立てています。しかしそれは、あくまでも仮説でしかないため必ずしも本物のお客様のニーズ合致するとは限りません。ですが、コンタクトセンターをマーケティングに活用することで、電話越しにいる本物のお客様から生のマーケティングデータを収集することができるようになるのです。

学習塾、ブライダル業界etc. 営業拠点としても高まる期待

VOCを積極的に吸い上げたい業界では、WOWOWコミュニケーションズのコンタクトセンターサービスに関心が高まっています。例えば、学習塾業界やブライダル業界は少子化によって市場は縮小していますが、多くのコンペティターが存在する競争の激しい業界です。教育もブライダルも、人生のステージごとのイベントです。一般消費財と違って、対象のお客様がその年齢層になるのを待つしかありません。お客様の育成が極めて難しい業界です。

こうした業界に対してWOWOWコミュニケーションズは、コンタクトセンターに加え、営業拠点としての機能も提供しています。そのことにより、営業効率の改善に結びつくケースが出ています。学習塾業界もブライダル業界も、契約を受け付ける現場は重要ですが、接客の担当者が営業ノルマとの二足の草鞋で仕事をしています。このため、目の前の契約客へのサービスに偏りすぎてしまい、将来の見込み客を逃してしまう恐れがあるのです。

例えばブライダル業界の場合、見込み客に対し、結婚式をするときに何にこだわるのかをヒアリングすることで、式場の振り分けや見学ルートを提案できるので、成約の確度を上げることができます。見込み客に対するケアを外部である我が社に任せられることで、接客に集中することができるし、成約率が改善する効果も期待できます。

お客様から見たROIが高いのは、現場の接客や担当者に対する教育の質です。いくら現場主義を徹底していても、接客担当者が営業ノルマをもってしまうと、目の前のお客様を優先してしまうのは当たり前です。お客様予備軍に対するサービスをお預かりし、十分なヒアリングを実施した後、クライアントに情報をお返しします。

もちろん、企業の生命線である大事な営業拠点を外部委託するのは、クライアントにとって抵抗があるはずです。このため、最初のトライアルの時は、綿密に打合せをしたうえで、両者のKPI(重要業績評価指標)を明確に決めるなど慎重でした。しかし、成功体験が積み重なると、それぞれのKPIの分担がわかるようになり、効果が実感できるようになります。

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