DIGITAL MARKETING
デジタルマーケティング

例から学ぶ、はかるべきマーケティングKPIとは

更新日:
マーケティング KPI

例から学ぶ、はかるべきマーケティングKPIとは

マーケティングをする立場の人にとって、KPI (key performance indicator)とはよく耳にする用語でしょう。しかし、あなたはきちんとKPIについて正しい理解をしていますか? 今回は、KPIについてまとめることはもちろん、マーケティング部がはかるべきKPIをいくつか紹介していきます。

KPIとはなにか?

KPIとは、「ビジネスゴールを達成するために行っている戦略が、どれくらい成功しているのかはかる」ために定める尺度のことを指します。つまり、KPIを見ることにより業務の現状を数値で把握することができます。それに対し、KGI(key goal indicator)とは、ビジネスゴールそのものを達成しているかどうかはかる尺度のことを指します。もっと簡単に説明すると、KGIはビジネス全体の最終目標であり、KPIはKGIに到達するための中間目標ということになります。

日々の業務を行っていると、どうしても大きな目標に注目をしがちです。しかし、中間目標をきちんとこなさずに大きな目標に到達することは容易ではありません。だからこそ、ビジネスゴールに達成するために何をすればよいのか数値把握できるKPIは、企業にとって見過ごしてはならない事柄なのです。

KPIには、大きく分けて2つの種類があります。ひとつ目は、ウェブサイトのセッション数などの「Vanity(見栄え上)」の数値です。ふたつ目は、ウェブサイトの平均セッション時間など「Actionable(行動可能)」の数値です。では、マーケティング部が注目すべきKPIとは、Vanityなのか、Actionableなのか、どちらなのでしょうか。

A社とB社の例からみてみよう

A社のビジネスゴールは「新規顧客を獲得しセールスを上げる」というものでした。その会社のマーケティング部は、SNSを使い新規顧客を獲得しようと考え、マーケティング部のゴールのひとつを「SNSでブランド力を高める」ということに設定しました。
このゴールを達成するために、マーケティング部はSNSライク数というKPIを定め、SNSのライクを1万人まで増やします。しかし、経営陣はSNSライクが上がっているのにもかかわらず必ずしも新規顧客が獲得できていない、つまり、KPIは達成しているのにKGIに反映していないという問題に直面しました。

同じビジネスゴール、マーケティングゴールを目指すB社では、A社のような「Vanity(見栄え上)」KPIではなく「Actionable(行動可能)」KPIである「SNSのエンゲージメント数」をKPIとして定めました。A社もSNSライクが1万人に増えましたが、ポスト毎のエンゲージメント(コメント数やシェア数)がとても低い数字に留まっているということの把握ができていました。もっと深く見てみると、自社の宣伝ポストではなく、業界豆知識のポストの方が多少高いエンゲージメントがあるということがわかりました。その結果、B社は業界豆知識系のSNSポストを増やし、SNSのエンゲージメント数を上げることに成功、その結果、新規顧客開拓も成功できたのです。

A社とB社の例からわかるように、「Vanity」KPIはあくまでも見栄え上な数字であり、「Actionable」KPIはビジネスゴールにつながるために戦略をどう調整したらよいのかという「行動可能なプラン」を示すことができる数字です。よって、マーケティング部は特に行動に移すことができるKPIを定める必要があるのです。

マーケティング部が注目すべきKPIとは?

ここまで、KPIやマーケティング部がはかるべきKPIについて書きましたが、KPIを定めるためにはまずマーケティングのゴールを定める必要があります。以下では、「ウェブサイトでの新規顧客を高める」というゴールに対し、はかるべきActionable KPIをいくつか紹介します。

インバウンドマーケティングROI

ウェブサイトでの新規顧客を高めるためには、インバウンドマーケティングを行いウェブ上に質の良いコンテンツを上げることは必要不可欠です。その際、コンテンツ作成などに投資したものがどれだけ新規顧客として返ってきたか、ROI(投資利益率)をきちんとKPIとして把握する必要があります。

オーガニックトラフィック

オーガニックトラフィックとは、広告などに投資をせずにグーグルなどでの検索結果からウェブサイトに来るトラフィックのことを指します。オーガニックトラフィックを上げるためには、SEO戦略を駆使する必要がありますが、オーガニックトラフィックをKPIとして定めることにより、SEO戦略の調整が可能となります。

SEO キーワードランキング

どの企業も、お金をかけずにオーガニックトラフィックでウェブサイト集客を行うことを望みます。オーガニックトラフィックを上げるためには、顧客候補がどのようなキーワード検索をしてウェブサイトにたどり着いているかを理解し、そのキーワードのランキングを上げることに努める必要があります。

モバイルバウンスレート

こちらは企業ごとのターゲットオーディエンスによりますが、モバイルユーザーがウェブトラフィックの多数を占める場合、モバイルバウンスレートを把握することは大切です。モバイルバウンスが高いということは、ウェブサイトのモバイル対応が劣っていることを示します。すると、せっかくの顧客獲得のチャンスを逃しているということになってしまいます。

コンテンツ配信頻度

ウェブサイトへのビジターを増やすためには、コンテンツを積極的に配信する必要があります。しかし、はじめから1日に数回コンテンツを配信することができる企業は少ないでしょう。コンテンツ配信頻度を少しずつ上げる努力をすることが、ウェブビジター増加、おいおいは顧客獲得へとつながります。

自社のゴールに沿ったKPIを設定することがキー

ここにあげたKPIは、あくまでも一例にすぎません。逆にいえば、ウェブサイトでの新規顧客を高めることがゴールではないマーケティング部が、KPIをはかっても意味がありません。

一番重要なことは、自社のマーケティングゴールを達成するために必要なActionable KPIは何であるか見極め、それらをはかることです。そして、それ以上に大切なことは、KPIをもとに見えるマーケティングの問題点に対し、どのような戦略調整をしていくかということです。

参考:

メルマガ会員募集中

弊社セミナーや最新記事の情報をお届けいたします。