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【徹底解説】Web広告の種類と仕組み|初心者でもわかる選び方ガイド

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Web広告は、今や企業のプロモーション活動に欠かせない手法です。スマートフォンの普及や広告配信の技術の進化により、Web広告市場は急速に拡大しています。

しかし、企業のプロモーション担当者の中には「種類が多すぎて難しい…」「自社商材にはどの広告が合うのかわからない」と悩む方も多いのではないでしょうか。 この記事では、Web広告の代表的な種類と仕組み、選び方のポイントをわかりやすく解説します。

Web広告とは?基本の仕組み

Web広告とは、インターネットを介して配信される広告の総称です。SNSや検索エンジン、アプリケーションなど、ユーザーが利用するプラットフォームに広告を表示することで、認知拡大や販売促進を行います。
主な課金形式は以下の通りです。

  • クリック課金(CPC):広告がクリックされるごとに料金が発生
  • インプレッション課金(CPM):広告が表示された回数に応じて料金が発生(通常は1000回あたり)
  • 成果報酬型(CPA):購入や会員登録、アプリインストールなどコンバージョンが発生時に料金が発生
  • 動画再生課金:動画が視聴された秒数や完了率に応じて料金が発生
  • 固定費型:期間や枠に応じて固定料金が発生

Web広告にはどういったメリットや注意点があるか確認しましょう。

Web広告実施のメリット

Web広告を実施するメリットとしては以下のようなことがあげられます。

  • 少額から始められる
    テレビや交通広告に比べて、比較的低予算で出稿が可能
  • 効果測定が行いやすい
    コンバージョンまでの導線において広告貢献度を計測しやすい
  • ターゲットを絞り込んで配信が行いやすい
    広告の種類や配信先にもよりますが、性別や地域、趣味関心などに基づき、狙ったユーザーに届けることが可能

Web広告実施の注意点

メリットがある中で以下の点に注意が必要です。

  • 競合が多いとクリック単価が高騰しやすい
    競合が多いターゲティングや設計を行ってしまうと、クリック単価が高騰してしまい、費用対効果が悪化する可能性
  • データ分析や運用に専門知識が必要
    広告管理画面や分析ツールを使いこなし、指標を正しく解釈し、仮説を立てて検証することが必要
  • 誤タップや不正クリックのリスク
    誤タップによる意図しないクリックや不正クリックが発生あることを理解し、不正クリックを防ぐために調整を行うことが必要
  • アドブロックによる表示制限
    ユーザーが広告をブロックするツールを導入している場合には、そのユーザーへ広告が届かない可能性

【種類別】基本のWeb広告の特徴

Web広告の活用にあたり最も重要なことは、目的に応じて選ぶことが重要です。こちらでは代表的な7つの種類について解説します。

1.ディスプレイ広告

ディスプレイ広告とは、Webサイトやスマホアプリなどの広告枠に掲載される広告です。具体的な種類としては、以下のようなものがあります。

① 純広告

純広告とは、特定のメディアの広告枠を買い取り、掲載する広告メニューです。配信枠を一定期間買い取るため、来訪ユーザーに確実にリーチすることができ、潜在層への認知拡大に有効です。Yahoo! JAPANといった主要なメディアで提供されています。形式としてはサイトにバナーを掲載するパターンや記事や特設サイトの形式で掲載されるパターンなどがあります。

純広告枠

② アドネットワーク

多数のWebサイトやブログを集めて広告ネットワーク(アドネットワーク)を形成し、そのネットワーク内のサイトへ広告を配信する手法です。多種多様な配信面があるため、広告主はターゲットとしたいユーザーが閲覧しているWebサイトやブログ、またはそれらの配信カテゴリーに向けてピンポイントに配信が可能です

③ DSP

DSPとはDemand-Side Platformの略称で、広告主側の為に用意された広告配信プラットフォームのツール名称のことを指します。DSP側が管理するユーザーの行動履歴等のデータを利用し「枠」よりも「人」ににあわせた広告配信ができるため、かなり細かく配信設計が可能な点がメリットです。アドネットワーク同様に複数の契約媒体(Webサイト)に対して広告を配信しますが、DSPの場合は複数のアドネットワークに対して広告が配信されます。

④ リターゲティング広告

Webサイトを訪問したユーザーに対して広告を表示する仕組みです。表示対象となるユーザーが限られるため配信母数も限定されますが、一度は商品やサービスに関心を抱いた顕在層に対してピンポイントに配信ができるため、高いクリック率が期待でき効果的なアプローチが可能です

2.リスティング広告

Yahoo!やGoogleなどの検索エンジンでユーザーがあるキーワードで検索した時に、その検索結果に連動して表示される広告で「検索連動型広告」とも呼ばれます。興味を持って検索したユーザーに対して広告が表示されるため獲得に繋がる確率(CV率)が高く、顕在層の獲得に適しています。キーワードごとに広告配信ができ、配信ターゲットも性別や年齢、エリアなど細かく設定できるため、少額予算からの広告運用が可能です。

3. SNS広告

X(旧Twitter)・Facebook・InstagramなどのSNSと通じて配信を行う広告で、SNSユーザーの属性や行動履歴を広告配信時に利用できる点がメリットです。SNS広告の中にもDSP的な側面を持つものなど様々な種類があり、潜在層への認知拡大から顧客層へのアプローチまで、幅広い活用が可能です。

4. 動画広告

動画広告はユーザーに対して動画で訴求する広告メニューで、リスティング広告やバナー広告と比べて圧倒的に多い情報量で訴求することができる配信手法です。クリエイティブの内容によって効果が大きく変動することが特徴です。

5. 記事広告(タイアップ広告)

既存のWebメディアの中の一つの記事のような形でオリジナル記事を制作・掲載する広告のことです。企業がメディアと連携して制作する広告であるため、タイアップ広告ともいわれています。「広告」という体ではなく、あたかもそのメディアのコンテンツの一つであるかのように配信されるためユーザーに受け入れられやすく、主にブランディングなどを目的として活用されています。

6. ネイティブ広告

ネイティブ広告は媒体に自然に溶け込むような形で配信される広告です。自然な流れで広告がユーザーの目に止まるため閲覧、クリックされやすいという点がメリットです。媒体がニュースメディアの場合は記事形式、SNSの場合は投稿形式で配信し、コンテンツの一部のように見られることを目的として配信されています。

7. アフィリエイト

特定の成果(購入や申込など)が発生した時点で報酬を支払うモデルの広告です。多くのWebサイトと個別に提携をしたり成果計測から支払いまでの仕組みが必要なことから、それらをとりまとめるASP(アフィリエイトサービスプロバイダ)を介して取引をするのが一般的で、コンバージョン獲得が目的の施策で多く活用されています。

【2025年版】最新の広告トレンド

最近では技術発展により新しい広告のスタイルも出てきています。

ショート動画広告

TikTokやInstagramリールに配信され、高いエンゲージメントを獲得できるのが特徴です。特にTikTokでは通常の投稿に広告がなじんでいるのでユーザーにとっては広告への拒否反応を低下させることができ、より自然なプロモーションを行うことができます。

デジタル音声広告

音声広告というとラジオによる広告が一般的でしたが、ポッドキャストや音楽配信サービスが増加したことにより自然に広告に接触させることができます。

リワード広告

動画を一定時間や最後まで視聴することで、ユーザーが報酬を得ることができる広告を指します。ユーザー側にメリットがあるので最後まで広告を視聴してもらえる可能性が高くなります。

UGC広告

UGCはユーザー生成コンテンツのことで、ユーザーが自発的に発信したコンテンツをもとに広告を行います。リアルな体験による声は広告感が薄く、ユーザーの信頼性を高めることにつながります。ユーザーの投稿を活用する場合には事前に許諾をとって配信を行いましょう。

メタバース広告

メタバースとはインターネット上の仮想空間のことです。アバターの装備として身に着けることで体験としてブランドサービスに触れることができます。また国内だけでなく世界中に訴求しやすいという特徴があります。

ファーストパーティーデータ活用広告

サードパーティーCookie規制の強化やプライバシー保護の強化がされるなかで、データを取得していく必要がある背景からファーストパーティーデータの活用が広がっています。ファーストパーティーデータとは企業が取得した会員情報や購入履歴、Webサイトやアプリの利用情報などです。このデータをもとに広告の配信を行うことで、より精度高く届けることができる反面、潜在層へのアプローチにはインフルエンサーの活用やSEOやAI施策によるサイトへのアクセス増加など組み合わせた施策が必要です。

【選び方】どの広告が自社に合う?

広告の種類を理解した上で、次に悩むのが広告の選定方法です。以下の観点から選定するとよいでしょう。

ターゲットと目的を明確にしたうえで広告を選定する

効果的な広告運用を目指すには、現時点の自社商材のターゲットを明確にし、ターゲットに合ったメニューを選定することが重要です。一般的な消費者の購買プロセスとして「認知」「理解促進」「購買検討」「購入」という4つのフェーズが存在しますが、自分たちがどのフェーズのユーザーを狙っていくのか、まずは検討しなければなりません。
そもそも商品の知名度が低ければ、認知を目的とした広告を実施しなければなりませんし、企業や商品の名前は広まっているものの良さが伝わっていないために売れないのであれば、理解促進を図る広告が必要です。
ターゲットの考え方とマッチする広告の種類をまとめると、以下のような図になります。

  • 認知拡大 → ディスプレイ広告・SNS広告
  • 興味・理解促進 → 動画広告・記事広告
  • 購買検討 → リスティング広告・リターゲティング広告
  • コンバージョン獲得 → アフィリエイト広告

自社商材の立ち位置を把握し、どんなターゲットにどの広告をあてるのか、ユーザー目線に立ってひとつずつ検討して進めていくことが大切です。

商品・サービスの伝えたいこととあった広告を選定する

広告ごとに得意とするコンテンツ形式があります。広告で訴求したい商品やサービスの強みや特徴に合わせて広告を選定することが望ましいです。

広告種類得意なコンテンツ形式向いている商品
ディスプレイ広告静止画、GIFなどファッションや雑貨など視覚的にわかりやすい商品
リスティング広告テキストBtoB商材や金融などの課題解決型商品
SNS広告(UGC含む)写真+テキスト、動画コスメや旅行、飲食店など実体験が必要な商品
動画広告短尺動画、長尺動画質感・動きに特徴がある商品
記事広告テキスト+画像、動画埋め込み金融、保険、BtoB商材など説明が必要な商品
ネイティブ広告テキスト+画像、動画埋め込みブランドやサービスについてなど自然な文脈で紹介したい商品

Web広告にかけられる予算から選定する

効果の高い広告に効果が出るまで予算をかけることは現実的ではありません。予算に応じてどの広告を選択するか考えてもいいでしょう。予算別のおすすめを表にまとめたので参考ください。

予算別おすすめ広告選定表

予算帯おすすめ広告種類
10万円以下SNS広告 or リスティング広告
10万~30万円ディスプレイ広告+SNS広告
30万~50万円ネイティブ広告 or 動画広告(簡易版)
50万円以上記事広告+動画広告

適切な広告を選び、効果的な広告運用を目指しましょう

Web広告は少額から始めることができ、効果測定も行いやすいですが、種類が多く、選び方次第で成果が大きく変わります。各広告の特性を理解し、ターゲットや目的を明確にして、仮説検証を繰り返すことが成功のカギです。

広告の効果計測については、以下記事も参考にしてください。
【広告効果測定】3つの基本指標と成果につなげる考え方

WOWOWコミュニケーションズではWOWOWの宣伝広告で培った経験をもとに、広告のプランニングから制作・運用、分析、改善まで一気通貫で対応します。また、広告運用だけでなく、CX(顧客体験)向上に向けたWeb施策も提案可能です。ぜひお気軽にご相談ください。

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