【事例あり】「検索しない世代」へのアプローチ:SNSネイティブ層に届く情報設計
最近、どのように情報を調べていますか?かつては「Google検索」が主流でしたが、今やその常識は大きく変わりつつあります。
特にSNSが誕生した1997年以降に生まれたZ世代やα世代は、従来の検索エンジンよりも、SNSやAIチャットなどを活用した新しい検索スタイルで情報を得る傾向が強まっています。彼らはSNSのタイムラインやレコメンド機能を通じて、自然に情報と出会う「発見型」の行動様式を持っています。
つまり、企業が従来のSEOや広告だけに頼っていては、情報が届きにくい状況です。「検索していない」のではなく、「検索の場」が変わっているのです。
目次
Z世代やα世代の情報収集の行動特性

1997年以降に生まれたZ世代やα世代は、スマートフォンとSNSを日常的に使いこなす「SNSネイティブ」世代です。彼らの情報収集は、以下のような特徴があります。
1.SNSを情報の収集源にしている
YouTube、TikTok、Instagram、X(旧Twitter)などが主な情報源です。特にTikTokでは自ら検索するというよりも、「おすすめ」のタブに流れてくる情報を受動的に閲覧する傾向があります。企業は、ターゲットの興味関心にあったコンテンツを作成・配信することで、自然に目に留まる仕組みを設計する必要があります。
2. 共感・体験・ストーリー重視のコンテンツを好む
役立つ情報だけでなく、「共感できる体験」や「ストーリー性のあるコンテンツ」に強く反応します。ブランドの世界観や、ユーザーのリアルな声を活用し、感情を動かすコンテンツ設計が重要です。
3. キーワードではなく、ハッシュタグとアルゴリズムによる受動的収集
検索よりもハッシュタグやアルゴリズムによるレコメンドが情報接触の起点です。自ら探すというよりも、コンテンツとの偶然の出会いによって情報を得ます。コンテンツのタグ設計や拡散性が接点を生む鍵となります。
4. 「ググる」ではなく、AIチャットと会話する
Z世代・α世代は、ChatGPTなどのAIチャットを活用して情報を探すことも増えています。会話形式で情報を得られるため、より直感的でパーソナライズされた体験が可能です。「検索=Google」という常識は、すでに過去のものとなりつつあります。
情報設計のポイント:検索されなくても“見つけてもらえる”仕組み
企業が、Z世代・α世代に情報を届けるための3つのポイントを紹介します。
1. 発見性を高めるコンテンツ設計
ユーザーの目に留まり、見てもらうためには発見されやすいコンテンツ設計が必要です。
短尺(15~30秒)の動画の場合は、冒頭の3秒で関心を引く仕掛けづくりが重要で、結末を先に見せる、問いかけをするなどの工夫が、視聴継続に効果的です。
Instagramのカルーセル投稿では、複数枚の画像を利用することで滞在時間が伸び、レコメンドされやすくなります。加えて、ユーザーが自分のペースで情報を理解できるため、保存率も高まり、投稿の評価にもつながります。
YouTubeなどの動画では、視覚的にインパクトのあるサムネイルやタイトルにすることでクリックを促すことができます。
2. 拡散を前提とした設計
ただ見てもらうだけではなく、他の人に紹介したくなる仕組みが必要です。
共感や面白さのあるストーリーを設計することで、「他の人に紹介したい」とシェアされやすくなります。また、コメントやリアクションを促す問いかけをコンテンツ内に盛り込むことで、ユーザーの能動的な行動を引き出します。さらにUGC(ユーザー生成コンテンツ)に対して、企業がいいねやお礼などのリアクションを返すことで、ユーザーが発信しやすい環境を整えることも、コンテンツの拡散につながります。
3. インフルエンサーを活用したコンテンツ
Z世代やα世代は、企業発信よりも、人からの情報を大事にする傾向があるため、インフルエンサーの活用は有効な手段です。
フォロワーが1万人~10万人のマイクロインフルエンサーは、友人のような存在として共感性の高い情報発信が可能です。インフルエンサーはファンとのコミュニケーションも活発であるため、双方向のコミュニケーションが生まれやすく、コンテンツのエンゲージメントが高まります。企業はブランドやサービスの世界観に合い、ターゲットユーザーと親和性の高いインフルエンサーを選定することが重要です。
成功事例紹介:SNSネイティブ層に向けた施策

WOWOWコミュニケーションズは、Z 世代・α世代を中心としたSNSネイティブ層に向けた施策を複数展開しており、その中でも短期間で高い成果を上げた事例です。
事例:インフルエンサー施策による若年層向けプロモーション
20代前半の女性を中心に、販売商品の認知拡大と購買促進を目的としたプロモーションを実施。TikTokを中心にインフルエンサーを起用し、短尺動画を展開しました。
動画の制作においては、インフルエンサー任せにするのではなく、クライアントの伝えたいメッセージをクリエイティブに反映できるよう企画を作成。クライアントの意向とインフルエンサーの個性を掛け合わせた動画に仕上げることで、視聴者の共感を誘発しました。コメント欄にはインフルエンサーへの反応だけでなく、クライアント名やサービス名への言及も増加し、自然な拡散が加速しました。
また、TikTokだけでなく、InstagramやX(旧Twitter)にも動画を展開し、複数のタッチポイントで接触機会を創出。ターゲットユーザーには、商品の関連コンテンツに関心を持つ層だけでなく、親和性の高い層までを想定して設計。もともと商品に関心がある層に加え、より広範囲の層にリーチできるよう工夫しました。
クリエイティブも各ターゲットユーザーに合わせて調整を行い、関心を引きやすい構成に。告知タイミングも配慮し、通常発売1週間前からの告知を、発売前日から開始。ユーザーの熱量が高まったタイミングで販売が開始となることで、購買意欲を最大化しました。さらに、インフルエンサーの投稿時間を夕方〜夜に設定し、ターゲットユーザーの生活リズムに合わせた配信を実施しました。
結果として、プロモーション商品は即日完売。当初のシミュレーションを上回る成果を達成しました。これは、他のインフルエンサー施策を模倣しただけではなく、過去のプロモーション実績や、インフルエンサーのファン層以外へのリーチ貢献度の調査を踏まえた設計によるものです。
WOWOWコミュニケーションズでは、監修が必要な商品の施策も多数手がけており、ファンによる継続的な発信を促す「ファンが喜ぶプロモーション設計」を重視。限られた素材の中でも、最大限の訴求力を引き出すクリエイティブ設計や、ターゲットに最適なインフルエンサーの選定など、柔軟かつ実践的なマーケティング支援が可能です。
これからの情報発信戦略:SNSネイティブ層に届けるために

「検索しない世代」に情報を届けるには、従来のSEOや広告だけでは不十分。SNSネイティブ層の行動特性を理解し、“見つけてもらう”情報設計が求められます。
WOWOWコミュニケーションズでは、ターゲットの声を理解して、ターゲットに合わせたプロモーション戦略およびSNS戦略支援を行っています。コンテンツ設計から拡散戦略、インフルエンサー連携まで、ご予算や貴社の課題に合わせたソリューションをご提案可能です。まずはお気軽にお問い合わせください。