【マーケターの“生成AI”現場録】AIで作るGoogleサーチコンソール前年比較レポート
目次
要約
CSVをAIに渡すだけ:Googleサーチコンソール(以下:GSC)からエクスポートできるクエリとページのCSVを、プロンプトと一緒に生成AIに貼り付けるだけで、前年比較のインタラクティブなHTMLダッシュボードが約3分で完成します。スプレッドシートでフィルターをかける作業は不要です。
増加・減少・新規獲得をタグで即分類:出力されるレポートは、クリック数の増減・新規獲得・減少をタグで自動分類し、グラフとテーブルで一覧できます。「どのキーワードが伸びているか」「どのページがクリックを失ったか」を、フィルターひとつで絞り込めます。
数字を見るだけでなく、戦略との照合が本質:データの読み方には前提があります。仮説どおりにポジションが取れているか、予想外に伸びているキーワードはトレンドの予兆か——数字を戦略と照合する視点を持つことが、このレポートを活かす核心です。
詳しいやり方を動画で解説
WOWCOMの、幅広く、着実な運用体制を備えたデジタルマーケティング

概要
「Googleサーチコンソールのデータを四半期ごとに前年比較したいが、スプレッドシートでフィルターをかけながら見ていくのは手間がかかる。」
そう感じているマーケター向けに、生成AIを使ってインタラクティブなHTMLレポートを自動生成する方法を紹介します。
必要なのはCSVとプロンプトのみ。
AIがデータを読み込み、増加・減少・新規獲得をタグで分類したうえで、グラフとテーブルを1ファイルのHTMLに出力します。
本記事では作り方をステップで解説したうえで、プロンプト全文を掲載します。 また、このレポートをマーケティング施策に活かすための視点も、最後に整理しています。
Googleサーチコンソール前年比較レポートの作り方:AIで完結する3ステップ
Step 1|GoogleサーチコンソールでCSVをエクスポートする
必要なのは以下の2ファイルです。
クエリCSV
Googleサーチコンソールを開き、「検索パフォーマンス」→「検索キーワード」タブを選択します。 期間を「過去3ヶ月」に設定し、「比較」を有効にして「前年の同じ期間」と比較表示したうえでエクスポートします。
ページCSV
同じく「ページ」タブを選択し、同様の期間設定でエクスポートします。
エクスポートされるCSVには、今期と前期それぞれのクリック数・表示回数・CTR・掲載順位が含まれています。このデータをそのまま使います。
Step 2|プロンプトにCSVの中身を貼り付ける
本記事の末尾にあるプロンプトをコピーし、お使いのAI(Claude / ChatGPT / Gemini)に貼り付けます。 プロンプト内の指定箇所に、Step 1でエクスポートしたCSVの中身をそのまま貼り付けてください。
貼り付けたらそのまま送信します。
Step 3|生成されたHTMLを保存して開く
AIがHTMLを生成します。所要時間は約3分。 出力されたHTMLコードをコピーして .html ファイルとして保存し、ブラウザで開けば完成です。
レポートには以下が含まれます。
- KPIサマリー:クリック数・表示回数の前年比、新規獲得件数
- AIによるインサイト文:増加・減少の傾向を自動で文章化
- グラフ3本:ページ別クリック数(上位15件)、クエリ別クリック数(今期上位15件)、クリック減少クエリTop10
- インタラクティブテーブル:フィルター(新規獲得・増加・減少)とソートに対応
※AIに詳しい方へ
MCPでGoogleサーチコンソールをつなぐことで、Claude Code内でCSVのエクスポートからレポート生成まで一気通貫で行えます。AIやデータ連携に詳しい方は、MCP連携もお試しください。
※【ご注意】本記事内のデモダッシュボードについて
記事内で参照しているダッシュボードのサンプル(数値・キーワード・URLなど)は、すべて架空のメディア「AIマーケlab」を想定したダミーデータです。実在するサイトや企業のデータとは一切関係ありません。プロンプトの動作イメージを確認する目的でご覧ください。
詳しいやり方を動画で解説
プロンプト ※以下のプロンプト全文をコピーしてお使いください。
あなたはデジタルマーケティングのデータアナリストです。
以下に2つのCSVデータ(クエリ・ページ)を貼り付けます。
このデータを分析し、インタラクティブなHTMLレポートを1ファイルで生成してください。
—
【クエリCSV(ここに貼り付け)】
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■ 分析・出力の仕様
【1. データ前処理】
・CSVのヘッダー行を読み取り、各列(クリック数・表示回数・CTR・掲載順位)を正確に識別する
・「過去3ヶ月間」を今期、「前年の同じ期間」を前期とする
・各行に以下のタグを自動付与する
– 新規獲得:前期クリック数・表示回数がともに0(前年データなし)
– 増加:今期クリック数 > 前期クリック数
– 減少:今期クリック数 < 前期クリック数
– クリックTop50:今期クリック数が全体上位50位以内
– 表示Top50:今期表示回数が全体上位50位以内
・click_diff = 今期クリック数 − 前期クリック数 を計算する
【2. サマリーKPI】
以下の4つのKPIカードをレポート上部に表示する
1. クリック数合計:前期・今期の合計値と増減率
2. 表示回数合計:前期・今期の合計値と増減率
3. 新規獲得ページ/クエリ数:前期データなしで今期登場した件数
4. 主な変化のハイライト:最も増加・減少が顕著なクエリ群のサマリー(AI判断)
KPIカードの下に、増加要因・減少要因・注目トレンドをまとめたインサイト文(2〜3文)を自動生成する
【3. グラフ(Chart.js使用)】
以下のレイアウトで3つのグラフを配置する
[ グラフ① ページ別クリック数 上位15件(幅100%・全幅) ]
[ グラフ② クエリ別クリック数 ] [ グラフ③ クリック減少クエリ ]
[ 今期上位15件(横棒) ] [ Top10(横棒) ]
・グラフ①:ページ別クリック数 上位15件(前期・今期の2系列)/縦棒/横幅100%全幅
・グラフ②:クエリ別クリック数 今期上位15件/横棒/左カラム
・グラフ③:クリック減少クエリ Top10(差分がマイナスのもの)/横棒/右カラム
グラフ②③は display:grid; grid-template-columns:1fr 1fr; gap:20px; のdivで並べる
⚠️ グラフのHTML実装ルール(必ず守ること)
・<canvas>タグにheight属性を直接付けない(縦長バグの原因になる)
・canvasは必ず position:relative かつ明示的な高さを持つdivで囲む
・Chart.jsのオプションは maintainAspectRatio: false を必ず指定する
正しい実装例:
<div style=”position:relative; width:100%; height:300px;”>
<canvas id=”chartPage”></canvas>
</div>
【4. 詳細テーブル】
・ページ・クエリをタブで切り替え可能にする
・フィルターボタン:「すべて」「新規獲得」「増加」「減少」
・カラムヘッダーをクリックするとソート可能にする
・表示カラム:名前 / 今期CL / 前期CL / 差分 / 今期表示 / 前期表示 / 今期CTR / 前期CTR / 今期順位 / 前期順位 / タグ
【5. デザイン仕様】
・背景色:白(#f7f8fa)、カード背景:白(#ffffff)
・フォント:Noto Sans JP(本文)、IBM Plex Mono(数値・コード)
・カラー:今期データ→緑 #16a34a、前期データ→青 #3b82f6、減少→赤 #dc2626、新規獲得→紫 #7c3aed
・外部CDN使用可:Chart.js(https://cdnjs.cloudflare.com/ajax/libs/Chart.js/4.4.1/chart.umd.min.js)
・Google Fonts使用可:Noto Sans JP、IBM Plex Mono
・1ファイルのHTMLとして完結(CSS・JSはすべてインライン)
・レスポンシブ対応
【6. 出力形式】
・HTMLコードのみを出力する(説明文・コメントは不要)
・<!DOCTYPE html>から始まり</html>で終わる完全なファイルとして出力する
・<title>には「GSC 前年比較レポート|[サイト名/ドメイン名]」を入れる
・レポートヘッダーには集計期間・生成日を記載する
【補足】
・CTRはパーセント表示(例:4.2%)
・掲載順位は小数点1桁(例:3.4)
・前期データが0または空欄の場合は「—」と表示する
・ページURLは長いため、パス末尾のみ表示し、ホバーでフルURL表示するtooltipを設定する
・数値は3桁カンマ区切り(例:12,480)
このレポートを活かすための3つの視点
1. 仮説を持って運用し、データと照合する
Googleサーチコンソールのデータは、あくまで「結果」です。 大事なのは、そのデータが自分たちの仮説どおりかどうかを確かめることです。
「誰をターゲットにしているか」「どのポジションで戦うか」——こうした前提が整理されていてはじめて、クエリやページの増減が意味を持ちます。 クリック数が増えたとしても、それが狙ったターゲットに届いているかどうか、その後のCVや商談形成につながっているかどうかを確認しなければ、数字の増加は評価になりません。
戦略・目的・ゴール(KGI/KPI)・ターゲット・ポジショニング——これらをあらかじめ整理したうえでデータを読む習慣が、このレポートを活かす第一歩です。
2. 予想外に伸びているキーワードをトレンドの予兆として読む
運用を続けていると、想定していなかったキーワードが予想外に伸びることがあります。 ラッキーに見えますが、多くの場合は市場のトレンドやユーザーの関心変化のシグナルです。
そうしたキーワードを起点に、関連コンテンツを集中的に強化していくことが、競合よりも早くポジションを取るチャンスになります。 「なぜこのキーワードが伸びているのか」を一歩掘り下げて考えることを推奨します。
3. Microsoft Clarityでコンバージョンとの接続を確認する
GSCのデータは「どのクエリ・ページが流入を生んでいるか」を教えてくれますが、その流入がコンバージョンや売上につながっているかどうかは教えてくれません。
Microsoft Clarityのヒートマップやセッションレコーディングを使い、CVしたユーザーに絞ったセグメント分析を行うことで、「流入の質」を確認できます。
検索ボリュームの大きいクエリで上位表示できていても、ページ内での行動やCVへの導線が機能していなければ、認知の幅が広がっているだけです。 「認知の量」ではなく「認知の質」を問うために、Clarityとの組み合わせを推奨します。
(番外編)GA4・Clarityのデータをマージして、より広いダッシュボードを作る
今回はGSCのデータのみを使いましたが、応用として、GA4のレポートデータやMicrosoft Clarityの分析ドキュメントをあわせてAIに渡すことで、より多角的なダッシュボードを生成することもできます。
たとえば、GSCの流入データにGA4のセッション・CVデータを組み合わせれば「どのクエリが実際にコンバージョンにつながっているか」まで一つのレポートで確認できます。Clarityの分析レポートをマージすれば、ページ内の行動データも同じ画面に並べられます。
各ツールからエクスポートできるCSVやPDFをプロンプトに追加して渡すだけで対応できるので、まず今回のGSCレポートを試してみて、慣れたら複数データのマージに挑戦してみてください。
まとめ:Googleサーチコンソールの前年比較を、戦略の検証に使う
CSVとプロンプトで完成:クエリとページのCSVを用意してAIに渡すだけで、インタラクティブな前年比較ダッシュボードが約3分で生成できます。
増加・減少・新規獲得を即可視化:フィルターとソートで、注目すべきクエリ・ページへすぐにたどり着けます。スプレッドシートのフィルター作業は不要です。
数字を戦略と照合する:このレポートの本当の価値は、仮説どおりにポジションが取れているかを確認し、予想外の伸びをトレンドとして読み、Clarityと組み合わせてコンバージョンの質を検証することにあります。
四半期ごとの定例レビューに、ぜひ取り入れてみてください。
WOWCOMの、幅広く、着実な運用体制を備えたデジタルマーケティング
