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【コンタクトセンターの採用品質】定着率88%…なぜ、世田谷区の主婦層を採用するのか?

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要約

立地と採用戦略——世田谷を選んだ理由 世田谷区を選び続けてきたのは、「優秀な主婦層が暮らす住宅街かつ都心近接エリア」を意図的に選定した、人材プールを起点とする組織設計の結果です。

30分のOP選考で見極める3つの基準 汲み取り力・事務処理能力・電話応対力(ロープレ)の3軸を合計60超の評価項目に落とし込み、新卒担当者でも同じ精度で見極められるよう体系化された門外不出のノウハウになっています。

この採用哲学が生み出す数字 2025年4月から2026年3月まで、約1年間の定着率は88%と高い水準を維持。複数のクライアントが20年以上にわたって委託を継続する「信頼の基盤」となっています。

概要

「委託先のオペレーターの質が心配」

コンタクトセンターの外部委託を検討する際、多くの企業がこの不安を抱えます。 

WOWOWコミュニケーションズのグループ会社であるフロストインターナショナルコーポレーションでは、30年間にわたって独自の採用哲学を磨いてきました。

本稿では、世田谷区を選び続けてきた立地戦略、「声から気持ちを汲み取れる人」というオペレーターの定義、そして30分の選考で見極める3つの採用基準を、現場の言葉でお届けします。

コンタクトセンター委託の品質を支える「採用段階からの人材設計」という視点を中心に、「定着率88%」という数字の背景にある思想をご紹介します。

スピーカー

日野 智江

WOWOWコミュニケーションズ 営業戦略本部 執行役員 兼 フロストインターナショナルコーポレーション 営業本部 取締役 食品・医療機器分野で18年間、ブランド戦略からCRMまで幅広く経験。その後フロストにて化粧品業界のカスタマーセンター長を8年間務め、日々お客様の声と向き合うなかで、現場を支えるのは結局「人」だと実感を重ねてきた。 現在はWOWOWグループにて、AIと人の温かさを組み合わせたCX・LTV設計を実践中。現場経験とマーケティング視点を活かし、お客様に「ずっと使い続けたい」と思ってもらえる体験づくりに取り組んでいる。

インタビュアー

原澤 耀

合同会社HARAFUJI Co-Founder COO | 大学在学中の19歳より株式会社ギャプライズにてBtoCデジタルマーケティング、BtoBマーケティング、法人営業に従事。その後、チーターデジタル株式会社にて法人営業を経て、 現在は合同会社HARAFUJIの共同創業者として独立。BtoBマーケティングを中心とした戦略および戦術支援事業に従事している。詳しくはこちら

立地と採用戦略——世田谷を選んだ理由

━━━世田谷区の主婦層がオペレーターとして多く活躍しているのは、偶然でしょうか。

偶然ではなくて、意図的な選択ですね。

我々は30年前に通信販売事業を立上げました。その際に通信販売を成長させるための根幹であるコンタクトセンターでは、オペレーターという「人」こそが最大の資源と判断しました。元々、本社は恵比寿にありましたが、コンタクトセンターを設置するにあたって世田谷区用賀へ移転しています。

創業者の妻が日本航空(JAL)の客室乗務員出身で、用賀・芦花周辺にかつての優秀な同僚が多く暮らしていることから、そのエリアがいいのではないか、という発想をしました。

━━━なぜ主婦層に焦点を当てたのでしょうか。

30年前は「結婚したら退職」という価値観が根強い時代でした。大手企業でキャリアを積んだ優秀な女性が、育児などで5〜15年のブランクを経て「子育てをしながらでも、働いて社会と接点を持ちたい」という気持ちを持っていらっしゃいます。その方々に、「自転車で通えるオフィスを用意しよう」というのが出発点です。

住宅街でありながら交通の便もよい。子育て環境が良い地域として知られている。そのような条件が重なるエリアとして、世田谷区が選ばれました。

「優秀」の定義——コンタクトセンターに求められる本当の力

━━━フロストインターナショナルコーポレーションにおける「優秀なオペレーター」とは、どのような方を指すのでしょうか。

コンタクトセンターの業務は電話が中心で、顔も表情も見えません。だからこそ求められるのは、声だけでお客様の感情や意図を読み取り、自然に配慮できる力です。

学歴でも資格でもなく、「見えないところへの思いやりが自然と出てくる人かどうか」。

これがフロストインターナショナルコーポレーションにおけるオペレーターの「優秀さ」の定義になっています。

━━━その資質は、どのような経歴の方に多く見られるのでしょうか。

大手企業での就業経験を持ち、社会の中でもまれてきた人ほど、この資質を持っている傾向があります。世田谷に住む元社会人の主婦層に、そのような方が多いということは、肌感としても強く感じています。

30分の選考で見極める3つの基準

━━━採用時には、具体的にどのような観点で候補者を見極めているのでしょうか。

採用の際は、3つの観点で候補者を確認しています。

1つ目は汲み取り力です。約30項目の評価軸で、人としての思いやりや、見えない気持ちへの配慮を測ります。

2つ目は事務処理能力です。商品研修で多くの知識をインプットし、後処理やKPI達成へとアウトプットしていくベースとなる処理力を確認します。

そして3つ目が電話応対力(ロープレ)です。1つ目と2つ目を、実際の電話応対として外に出せるかを、プラス項目とマイナス項目の両面で評価します。

━━━わずか30分の選考で、本当に見極められるものなのでしょうか。

この3軸を合計60超の評価項目に落とし込んだものが、採用の30分間でその人を見極めるための、いわば「秘伝のたれ」です。新卒の担当者が実施しても同じ評価ができるよう体系化されていますが、その中身は30年かけて磨いてきた門外不出のノウハウになります。

━━━採用基準そのものの精度は、どのように高めているのでしょうか。

採用時の点数は、入社後2ヶ月・6ヶ月・1年後の活躍・離脱データと照合し、採用基準を継続的に改善しています。「汲み取りは秀でているが事務処理は平均的」という方が実際に入社後どうなったかを追うことで、採用の精度を数値で磨き続けているのです。

この採用哲学が生み出す数字

━━━採用へのこだわりは、実際の現場ではどのような数字となって表れているのでしょうか。

採用へのこだわりは、現場の安定と顧客満足に直結します。

直近の在籍者推移を見ると、2025年4月時点で342名だったオペレーターが、2026年3月時点で300名となり、約1年間の定着率は88%に達しています。「入社してすぐ辞めてしまう」が業界課題とされるコンタクトセンターにおいて、非常に高い水準と驚かれる数字のようで、当社で働き続けてくださるオペレーターが多い事は、素直にうれしいですね。

━━━クライアント企業との取引関係についても教えてください。

当社は健康食品や化粧品の通信販売事業のクライアント企業が多いのですが、大手クライアントと20年以上にわたって委託を継続しているという事実も、オペレーターの品質が長期的な信頼を生んでいる証左と感じています。

━━━なぜこのような数字が継続的に生まれるのでしょうか。

採用段階で「この仕事に向いている人」を見極めているからです。

入社後のミスマッチが少なければ、オペレーターは長く働いて、スキルを積み重ねてくれます。組織へのフィット感が強く、チームワークも強いですし、何より経験豊富なオペレーターが応対する品質は安定し、クライアントからの信頼が深まる——その好循環が、20年超の継続関係を支えています。

>>「【コンタクトセンターの育成】ポイントは「ゆったり」…?」に続く

まとめ:採用品質が、コンタクトセンターの信頼を支える

立地は人材戦略の起点になる 通販事業の立ち上げに合わせて、優秀な主婦層が暮らす住宅街かつ都心近接の世田谷区を意図的に選定したのは、「人材プール」を起点に組織を設計する発想の表れでした。

「優秀」とは声から汲み取れる人 顔も表情も見えない電話越しで、お客様の感情や意図を読み取り自然に配慮できる人を、オペレーターの「優秀さ」の本質と定義しています。

3軸×60項目で30分の選考を担保する 汲み取り力・事務処理能力・電話応対力という3軸を合計60超の評価項目に落とし込み、入社後のトラッキングデータと照合しながら採用精度を磨き続けています。

定着率88%が長期の信頼を生む 直近1年間の在籍推移が示す88%の定着率と、20年超に及ぶクライアントの継続委託は、採用段階の積み重ねがもたらす好循環の結果です。

まとめ 立地・人材像・採用基準が一貫した思想で繋がっているからこそ、コンタクトセンター委託の品質は採用の段階から担保され、長期にわたる信頼関係として結実しているのです。

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