#7 コンタクトセンターにおける成果品質とは?
要約
コンタクトセンターにおける成果品質とは?
成果品質とは、獲得率や受注率、リテンション率、獲得件数など企業利益に直結する指標を指す。率と実数の双方を追う場合もあり、目標設定と徹底した数値管理を前提に、明確な基準をもって成果を追求する姿勢が求められる。
コンタクトセンターにおける成果品質の高め方
成果品質向上には、押し売りではないというマインドセットを徹底し、顧客に寄り添う姿勢を土台とすることが重要である。数字の責任はスーパーバイザーが担い、オペレーターに押し付けず育成する体制が歪みのない成果につながる。
営業のテクニックとマインド…そのバランスとは?
テクニックだけでは持続的成果は得られない。顧客は商品そのものではなく得たい未来を購入しているという本質理解を共有し、その価値に寄り添ったトークを構築することで、マインドとテクニックが両立した質の高い成果が実現する。
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概要
数値目標を掲げながらも、お客さまに寄り添う姿勢をどう両立すべきかに悩むコンタクトセンターは少なくありません。
成果品質は単なる獲得率や件数の達成ではなく、マインドセットとマネジメント体制の整備によって高めることが可能です。
本稿では、押し売りではないセールスの考え方、スーパーバイザーの役割、そして「人は物を買っていない」という本質理解に基づくアプローチを解説します。
成果を歪ませずに持続的な売上向上を実現するための考え方やヒントをご紹介します。
※前回「#6 コンタクトセンターの応対品質で“最も難しい課題”とは?」はこちら
コンタクトセンターにおける成果品質とは?
━━━コンタクトセンターにおける「成果品質」とは、何でしょうか?
コンタクトセンターで言う成果品質とは、例えば獲得率や受注率など、企業の利益に直接結びつく指標をイメージしていただくと分かりやすいと思います。
━━━基本的には、やはり「率」で見ることが多いのでしょうか。それとも、実数として獲得件数を追うのでしょうか?
コンタクトセンターによって異なります。
例えば、月間で獲得率◯◯%以上といった割合を目標にしているところもあれば、解約を抑止するリテンション率を重視しているところもありますし、月間で100件以上といった実数を目標にしているところもあります。
率と実数の両方を追っているケースもありますね。
━━━少し酷な質問かもしれませんが、そういった数値目標は実際に達成できるものなのでしょうか?
もちろん簡単なことではありませんが、そこはWOWOWコミュニケーションズが得意としている領域でもあります。
率であれ件数であれ、あるいは状況に応じてその両方であれ、目標を明確に設定し、しっかりと追い求めていきます。
数字を追うというマインドを前提としたノウハウやテクニックについては、私たちの強みの一つだと考えています。
コンタクトセンターにおける成果品質の高め方
━━━では、成果品質はどのようにすれば高まっていくのでしょうか?
今回は例として、獲得を目的としたセールスをイメージしてお話しします。成果に直結するのは、やはりお客さまに商品を購入していただくことです。
世の中には、セールスに関するさまざまなテクニックや、「これをやれば売れる」といったノウハウがありますよね。それらも非常に重要ですし、有効なものだと思います。
ただ、WOWOWコミュニケーションズではまず、「セールス=押し売りではない」ということを、実際にセールスを行うオペレーターの方々にしっかりと理解していただくことを大切にしています。
そのうえで「押し売りではないセールスとは何か」を考え、私たちが培ってきたコミュニケーションの考え方を活用したセールスを学び、アウトプットと練習を繰り返しながら、実践へとつなげていきます。
━━━なぜ、「押し売りではない」というマインドセットを最初に行うのでしょうか?
コンタクトセンターによっては、オペレーターに数値目標を設定しているところもあります。
もちろん、達成できなかったからといって必ずしもペナルティがあるわけではありませんが、どうしても目標を下回りたくないという心理が働く方は多いものです。その結果、数字を上げること自体が目的となり、お客さまに寄り添ったおもてなしの心を欠いたセールスになってしまう可能性があります。
そのような一度きりの押し売りで終わってしまうと、その後二度と購入してもらえなくなることもあります。それは本来あるべき姿ではありません。
この点を最初にきちんとマインドセットしておかないと、良かれと思って強引に獲得に走ってしまい、結果としてお客様が継続しない、リピーターにならない、あるいはクレームにつながる、といった事態を招いてしまうからです。
━━━数字を上げることを目標にしないとおっしゃっていましたが、成果品質においては獲得率や受注率といった数字を目指すことになるわけで、そこに矛盾を感じました。この矛盾について、関口さんやマネジメント側は数字も本質も両方を見る立場だと思いますが、目標にはしない一方で数字を追わなければならないという状況は、現場の方にとって不安につながるのではないかと推測します。この不安やモチベーションの管理は、小手先の対応では難しいと思うのですが、どのように対応されているのでしょうか?
ここはコンタクトセンターを運営しているスーパーバイザー次第な部分が大きいと考えています。
オペレーターを管理するスーパーバイザー自身が数字至上主義で追いかけていると、それを見たオペレーターも、数字を取ること自体が目的になってしまいます。
確かに、数字の達成はスーパーバイザーの職務範囲や責任範囲に含まれるため、スーパーバイザーが数字を追うこと自体は必要です。
ただし、少し言葉は強いですが、「スーパーバイザーが責任を持つ」ということが重要です。現場の数字を上げることはスーパーバイザーのミッションですから、そのためにオペレーターのモチベーションをどう高め、スキルをどう伸ばすかはスーパーバイザーの腕にかかっています。
数字の責任をオペレーターに負わせない、押し付けない。これができていれば、成果が歪んだセンターになることは避けられます。
━━━そうすると、今回は深掘りしませんが、成果品質の鍵を握るのはスーパーバイザーの力量、つまり担当するスーパーバイザー次第という側面もある、ということでしょうか。
そこは本当に大きいと思います。
スーパーバイザーをどのように育成し、レベルアップしていくのかという点も、成果品質の向上と密接に結び付いています。
営業のテクニックとマインド…そのバランスとは?
━━━思考テクニックよりも、まず「押し売りではない」というマインドセットを行い、その上でコミュニケーションを重視していく、という点ですが、とはいえ、テクニックがなければ売れないのではないかとも思います。この点について、テクニックとマインドのバランス、あるいはその落とし込みについて、意識されていることがあれば教えてください。
ベースにあるのは、やはりマインドです。
ただ、「セールスは押し売りではない」と伝えた直後に、「実際に獲得する際には、このトークで、このフレーズを使った方がいい」と話を進めてしまうと、途中の重要な工程が抜け落ちているように感じませんか?
この足りない部分こそが、マインドからテクニックへと進むための中間工程です。その工程としてまず、「お客さま、人は“物”を買っているわけではない」ということを、きちんと理解してもらいます。
例えば、車を売る営業マンを想像してみてください。売っているのは車ですが、車とは鉄やガラス、ゴム、ハンドルや革張りのシートなどで構成された物体です。車を買うお客様は、その鉄とガラスの塊が欲しいのでしょうか。
実際には、車を購入することで手に入れたい未来や、家族と楽しく旅行をしたい、安全に移動したいという希望があり、それを実現する手段としてワンボックスカーなどを選ぶわけです。
車のように形のある商品はイメージしやすいと思いますが、生命保険や入院保険のように形のない商品もあります。
強いて言えば、加入後に保険証書という紙が届きますが、その紙自体が欲しいわけではありません。それによって得られる安心感や、病気になったときに困り事を解決できるという価値を求めて加入するのです。
同様に、サプリメントを扱うコンタクトセンターであれば、商品はゼラチンや粉末などでできたサプリメントですが、それ自体が欲しいわけではありません。
それを摂取することで得られる健康的な生活や、肌つやが良くなることによって前向きな気持ちになれるといった、「得たい未来」を購入しているのです。
この点を理解した上で、その未来に寄り添ったセールストークを組み立てていかなければなりません。そうした理解を踏まえた上で、実際のセールストークへと進んでいきます。
━━━そうすると、保険商材であれ、サプリメント商材であれ、WOWOWコミュニケーションズのコンタクトセンターにおいて、まずマネジメントラインの方々が考えるのは、「この商材を売るとはどういうことなのか」「本質的に何を売っているのか」という点なのでしょうか。その本質を最初に捉える、というイメージでしょうか?
おっしゃる通りです。
その点を考えた上で、クライアント企業様との間に認識の違和感や相違がないかを丁寧に確認し、それを明確にしたうえでお伝えしていきます。
車を買う本質が、鉄の塊が欲しいということではない、という点は、言われれば誰にでも理解できることです。
しかし、それを実際にお客様と向き合うオペレーターの方々に対して、きちんと言語化して伝え、改めて再認識していただくことが重要なのです。
そうした事前期待を持つお客様に対してセールスを行うからこそ、このようなセールストークになるのだ、という背景まで理解していただく必要があります。
その理解がないまま、単にセールストークだけを研修してしまうと、表面的なセールスになってしまいがちですし、お客様が購入を迷っている場面で、「悩んでいるならもういいや。この電話は切って次に行こう」という対応になってしまう可能性もあります。
お客様にしっかりと寄り添い、「買う」「買わない」の判断を後押ししてあげる。そのために、テクニックとマインドの両方を備えてもらう、という感覚です。
━━━もともとは、成果品質を高めるためにはどうすればよいのか、という質問から始まりましたが、そこから話が広がり、多くの示唆をいただきました。突き詰めると、成果品質を高めるためには、細かなテクニックが存在することを前提としつつも、大元にある考え方や正しいマインドセットこそが、成果品質の向上につながる、という理解でよろしいでしょうか。
はい、その通りです。
そこがなければ、結局は売れない。近道は存在しない、ということです。
━━━インターネット上に情報が溢れているからこそ、いわゆるテクニック論のようなものは非常に多く存在していると感じます。一方で、こうした前提や土台を丁寧に整えているケースは、なかなか珍しいのではないでしょうか?
そうでしょうか?
WOWOWコミュニケーションズの中では、これがスタンダードだと考えています。
いわゆるセールスの現場では、お客様に断られた際の切り返しトークといったものがありますよね。そうした切り返しのパターンを数多く持っていれば、一定のラインまでは成果品質を高めることができると思います。
ただ、その切り返しが本当にその場面において適切なのかどうかは別の話です。道具を持っていたとしても、その使い方や使う場面を正しく理解していなければなりません。
仮に間違った使い方をしても、その瞬間は成果が出るかもしれませんが、それが長く続くわけではありません。その点が、成果品質の難しさであり、同時に面白さでもあるのだと思います。
まとめ:コンタクトセンターにおける成果品質とは何か
成果品質は利益直結指標で測る
獲得率や件数、リテンション率など、企業利益に結びつく数値を明確に定義し追求する姿勢が前提となる。
マインドセットが成果を歪ませない
押し売りではないという価値観を共有し、数字の責任を管理側が担うことで健全な成果創出が可能になる。
顧客は未来を買っている
商品ではなく得たい未来に寄り添う理解を土台に、テクニックを活用することが持続的成果を生む。
まとめ
成果品質向上の本質は、テクニック以前に土台となる考え方を整えることにある。
【おすすめ資料】
品質の高いコールセンターの仕組み
~成果と応対、それぞれの品質を確かめる「問い」~
