ビッグデータの活用法とそのポイントとは?

ビッグデータの活用法とそのポイントとは?

多くの商品やサービスが成熟化した現代では、経験や勘に頼るマーケティング活動は結果につながりにくくなっています。こうした情勢のなかで、意思決定の方法として主流になっているのがデータの活用です。なかでも「ビッグデータ」と呼ばれる多くの情報を活用することで、より精度の高い判断材料が得られることでしょう。今回は、企業の意思決定を左右するビッグデータの活用法についてお伝えします。

ビッグデータとは?

まずは、ビッグデータの定義について確認しましょう。

ビッグデータとは、その名のとおり、一般的なデータ処理システムでは扱うことが難しいほど複雑で大容量の情報を指しています。しかし、データ量が多いことは定義の一部でしかありません。ビッグデータに関する明確な定義はないものの、比較的広く知られているのが3Vの要素です。

3Vには、「データ量(Volume)」「発生頻度(Velocity)」「多様性(Variety)」の3つがあり、それぞれの頭文字をとって3Vとよばれています。

従来のデータベースで管理・解析が難しいような多量のデータ群である「巨大なデータ量」、そして情報の新鮮さを表す「発生頻度」は、リアルタイムで得られる情報やストリーミングにあたります。「多様性」とは、テキストに限らず映像や音声などを含めた、非定型のデータのことです。

さらに、IBMを発端として「正確さ (Veracity)」を加えた4Vが提唱されており、データの矛盾や曖昧さによる不確実性、近似値を積み重ねた不正確さなどを排除し、高いレベルで信頼できるデータの活用が注目されています。最近では「データ価値(Value)」を加えて5Vとする例もあります。今後、ビッグデータの活用を考えるうえでは、3Vから4V、5Vへと新たな定義にシフトしていくことでしょう。

活用できなければ意味がない

ビッグデータが得られても、活用できなければ意味がありません。データそのものに意味はなく、適時分析しながら新しい価値や仕組みを発見する……、そこで初めてビッグデータに価値が生まれます。とはいえ、データ量が多く複雑であるため、どのように活用すればよいのか分かりづらい面もあるでしょう。ここではビッグデータを活用する際のポイントを見ていきましょう。

データ活用の目的を明確にする

まずは目的を明確にすることからはじめましょう。

「ビッグデータの分析で売上向上」といった曖昧な目的では、何をどのように分析すればよいのか分からなくなってしまいます。現状のマーケティング課題は何か、その課題についてビッグデータは活用できるか、というように目的を深く堀り下げて明確化することが大切です。大量のデータを分析するうちに、その過程で目的がぼやけてしまうケースもあります。分析結果からどのような結論を得たいのかを明確にするためにも、ゴールとなる目的を定めておきましょう。

4Vに基づいてデータを収集する

ビッグデータを活用するといっても、データがなければ行動に移しようがありません。先述した4Vに基づいたデータを収集するところから始めましょう。ただし、注意したいのは、多くのデータを集めることが目的ではないということ。目的からどのカテゴリーがもっとも必要なデータかを見極めたうえでプロジェクトを進めてきましょう。

分析手法を決める

データを集めたら次は分析作業に入ります。しかし、そもそも分析の方法が分からなければ、マーケティングに活用することはできません。分析手法はですが、代表的な3つの例をご紹介しましょう。

  • クロス集計
    2~3つの特定したデータに限定して分析していくのが「クロス集計」です。アンケートなどで得た情報を分析する際に良く用いられます。アンケート回答者の年齢層や性別、職業などを横軸とし、設問内容を縦軸で表します。それぞれの属性やグループごとの分析が可能です。
  • アソシエーション分析
    「アソシエーション分析」は、連関分析ともいわれ、一見、何の関連もないような複数のデータから共起性を見つけ出すというものです。マーケティング例として知られる「おむつとビールの法則」も、アソシエーション分析による発見だとされています。
  • クラスター分析
    「クラスター分析」は、対象をより細かく分類化する手法です。異なる性質のものが混ざり合っているセグメントに対し、類似するクラスター(集落)ごとに分けることで、密度の濃い相関関係などを導き出します。また、クラスター同士の関連性が明確に見えてくるという利点もあります。

 ビッグデータを活用して売上を高めた「楽天市場」の事例

ネットショッピング大手の「楽天市場」は、ビッグデータを活用した試みで大きな成果を挙げています。楽天市場では、メインサイトの更新頻度の短縮、商品ジャンルの細分化を行っていますが、これはビッグデータを分析したうえで、ランキング上位に入る頻度が高い商品ほど売上は増加し、ジャンルが細かいほど全体の売上が上がるという結果に基づいて改善されたものです。

サイト更新の頻度を上げることで、マーケティング効果が高まるであろうということは、多くの企業も漠然と理解しています。しかし、楽天市場はその作業工程に対してさらに確信できる結果を得るために、ビッグデータの分析により目的を明確化したことで改善策に結び付けています。自社にとって何が課題かをしっかり見極めたうえで、ビッグデータの分析を活用し、業績アップにつなげた好例です。

これだけはおさえておきたい活用時の注意点

ビッグデータ活用のポイントと併せて、分析時に起こりやすい失敗例も紹介しておきましょう。よくある失敗パターンには下記のような項目が挙げられます。

  • データ偏重になりすぎて自社の強みを活かせていない
    データを分析しても、自社の強みが活かせないマーケティングになってしまうと、結果につながりにくくなります。例えば、20代女性をメインターゲットとしてアプローチしてきた企業が、分析の結果でターゲット層を大きく変えてしまうような場合があります。ターゲットの変更そのものが問題ではなく、狙ったターゲットに対して自社が価値を提供できなければ、マーケティング成功とはいえないでしょう。
  • 経験と勘に頼る
    分析がうまくいかず、結局のところ経験と勘に頼ってしまうケースがあります。分析結果に対して、主観的な解釈を行うのであれば、それは勘に頼っているのと同じです。あくまでも客観的に、分析結果と向き合う必要があります。
  • 事例重視型で自社の状況を考慮していない
    分析結果が出たとしても、他社事例に当てはめてしまうと、自社のスタイルやパターンとのずれが起こります。分析の目的を明確にすることで、こうしたずれを防ぐことができるでしょう。

自社にあった方法で活用していこう

ビッグデータの分析で大切なのは、分析の目的を明確にすること、そして目的に応じた必要なデータをしっかり集めることです。目的が明確なら、分析の方法や活用法を発見することも難しくないでしょう。これまで技術的な問題から扱うことができなかったビッグデータには、新しい価値を発見できる可能性があります。ビッグデータを活用してマーケティングの成功確率を上げていきましょう。

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参考:

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