インサイト広告で模倣すべき成功事例5選!

インサイト広告で模倣すべき成功事例5選!

インサイト広告とは、顧客本人も気付いていない深層心理や欲求に訴求する広告手法です。実際にこのインサイト広告により顧客の深層心理をつかむことで、売り上げの改善に成功した企業もあります。今回は顧客のインサイトを理解した広告制作や製品開発に成功した企業の事例を5つ紹介します。

 

インサイト広告で模倣すべき5つの成功事例

 

Apple「iPhone」

現在では数多くの人がiPhoneを所有しています。今でこそタッチパネルのiPhoneを使いこなす人が多いですが、初代iPhoneが登場する2007年までは、ボタン式のいわゆるガラパゴスケータイが主流でした。当時は「通信速度を上げる」「音質を上げる」など、すでに顕在化しているニーズを満たすための品質改善がメイン。新製品がユーザーの抱えている不便さを改善することはあっても、人々が持つ携帯に対する概念を一変させる革新的な機能を提供するまでには至りませんでした。しかしiPhoneは顕在化しているニーズを満たすのではなく、「タッチ操作」という革新的な機能をはじめとした、顧客のインサイトをつかむ製品を開発することで成功を収めました。

 

※本記事は、独立した記事であり、Apple Inc.が認定、後援、その他承認したものではありません。

※iPhoneは、Apple Inc.の商標です。

 

日清食品「カップヌードル リッチ」

従来、60代以上のシニア向け食品は「健康志向」を打ち出したものが多く、減塩やカロリーオフを謳ったさまざまな商品が登場していましたが、目立った売り上げを記録したものはありませんでした。

そこで、日清食品はシニア世代をあらためて調査。SNSに投稿した写真などを分析してみると、お酒や揚げ物などの豪華な料理の写真が多く確認できました。つまり、アンケートでは健康志向を主張しつつも、「おいしくて豪華な食事も楽しみたい」という心理を持っていたのです。日清食品は、このインサイトに訴求する商品として「質にこだわり、よりおいしいものを求める60代のアクティブシニア層のニーズにも応えるカップ麺」を発売。それが、これまでにない贅沢なスープが特長の「カップヌードル リッチ 贅沢だしスッポンスープ味 / 贅沢とろみフカヒレスープ味」でした。ネットニュースやSNSなどで話題が拡散しシニア世代の心を上手につかみ、通常より高価格であるにもかかわらず、発売からわずか7カ月で販売累計1400万食を突破しました。

※「カップヌードル リッチ」は、現在は販売されていない商品です。

 

カリフォルニア牛乳協会「got milk?(ミルクある?)」

1990年代、アメリカ・カリフォルニア州では、牛乳消費量の減少に悩まされていました。この現状を打破するために「牛乳は健康に良い」「カルシウムが豊富に入っている」など、牛乳のメリットを広告で打ち出しましたが、思うような成果を得られませんでした。

そこで「消費者が牛乳を飲む理由」を知るために、「1週間牛乳を飲むのを我慢してもらい、最後にヒアリングを行う」という調査を行いました。調査の結果、「クッキーやチョコなどの甘いものを食べているときに牛乳がなくて困った」という意見が見つかりました。つまり、一部の消費者は牛乳を意識的に飲んでいたのではなく、「甘いものを買ったついでに牛乳も飲んでいた」というインサイトを抱えていたのです。カリフォルニア牛乳協会はこの調査結果をもとに、シリアルやクッキーなど牛乳と相性の良い食品売り場の近くにPOP広告を設置して、「got milk?(ミルクある?)」という共同キャンペーンを展開。牛乳消費量が「前年比+1.8%」という売り上げの改善に成功しました。

 

大戸屋

広告事例とはやや異なりますが、和食チェーンである「大戸屋」も、かつて顧客のインサイトに着目したことで知られています。

大戸屋が初めて出店した当時、和食チェーン店の数が少なく、また定食屋自体に「男性がたくさん食べる場所」というイメージが根強くありました。吉祥寺店の火災をきっかけに、女性も入りやすい定食屋を目指した大戸屋は、女性が抱える「定食屋に入りにくい」「1人で入店する場面を見られたくない」というインサイトに着目。店内の様子が分かりやすいガラス張りの店舗や、あえて入店しにくい地下や2階に店舗を構えるなど「女性でも来店しやすい」ことを訴求。今ではすっかり、だれでも入りやすい明るくきれいな店舗で、健康的なメニューが食べられる定食屋、というイメージが定着しています。

 

パナソニック「スリム食洗機」

「食洗機が欲しい」という多くの声に応え、約60年にわたり食洗機事業を続けているパナソニック。しかし内閣府の調査によると、国内における食洗機の普及率は3割程度で、「民間賃貸住宅」に限ると約6%程度まで下がります(2020年度)。

そこでパナソニックはなぜ「欲しい」という声がありながら食洗機の導入に至らないのかを徹底的にリサーチ。その結果、賃貸住宅で暮らす人のほとんどが「食洗機を置く場所がない」と導入を断念していることが判明しました。この結果から、パナソニックは食洗機のサイズダウンに加え、賃貸住宅のキッチン寸法などを調査し、どんな形状であれば賃貸住宅に置けるのかを追求。スリムな設計と高い洗浄力を両立した、業界最薄(※)の本体奥行の「スリム食洗機」の実現に至りました。

 

※パナソニック調べ:国内卓上食器洗い乾燥機において。2021年9月8日現在。

 

インサイト広告の成功事例を参考にして運用する

今回紹介した企業事例から、顧客のインサイトと向き合い、広告制作や製品開発を行うことの重要性が分かりました。すでに見えているニーズを追い求めるだけでは、企業の売り上げは伸び悩む可能性があります。顧客のインサイトに着目し、従来とは違うアプローチによって効果的に自社製品を訴求しましょう。

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