お客様との関連性を育むリレーションシップマーケティングとは?

お客様との関連性を育むリレーションシップマーケティングとは?

お客様一人ひとりに直接メッセージを送ることが可能になった現代、個人レベルのターゲティングが重要視される項目です。マーケティングメッセージを通じて、企業のファンを増やし、口コミからブランドの良さを拡散してもらえれば、顧客層の拡大にもつながります。今回は、お客様との関係性を強化する「リレーションシップマーケティング」について解説します。

リレーションシップマーケティングの定義

お客様とのリレーションシップ(関係性)やロイヤルティ(忠誠心)を高めることを目的としたマーケティング手法のひとつに、「リレーションシップマーケティング」があります。
目の前の売り上げを高めることを目的とした従来のマーケティング手法と違い、お客様との関係を長期的に育みながら、ビジネスの拡大やLTV(顧客生涯価値)向上につなげるというものです。お客様との関係性に焦点を当てることで、感情的なレベルでのアプローチが可能となり、お客様一人ひとりを「ブランドアンバサダー」として育成するプロセスそのものが、マーケティング効果を生み出します。

具体的な手法

リレーションシップマーケティングをより効果的に行うためには、インターネットの利用が欠かせません。代表的なものはSNSや企業ブログを使い、お客様個人とのやり取りを公開する方法でしょう。オンライン上で公開されるお客様のメッセージに対して丁寧な対応を取ることで親密度が高まり、今後の定着につなげるのが大きな目的です。また、そうしたやり取りは潜在的な顧客層の目に留まることになり、ブランドへの印象を良くするきっかけともなるでしょう

ここで大切なのが、お客様への個別対応において、その場のやり取りにとどまることなく、顧客ライフサイクルを意識したアプローチを継続的に行う必要があるという点です。さらには、優良顧客を増やし、ロイヤルティの高いリピーターを確保できるような取り組みを続けなければいけません。関係性を維持するためにも、企業とお客様が想いを共有できるようなイベントを開催するのもよいでしょう。

例えば感情に焦点を当てる

例えば、関係性を築く際に効果的な手法のひとつとして、お客様の「感情」に焦点を当てる方法があります。リレーションシップマーケティングに長けている企業のなかには、ノスタルジア、つまり「懐かしい感情」をコンセプトとしたキャンペーンを取り入れるケースが多くあります。自社の商品やサービスを使っている人や、それに近い状況にある人が、その当時の思い出や雰囲気を共有するというイベントで、個人としての経験を振り返るとともに、同じ環境にあった企業や他の利用者に対して仲間意識を芽生えさせる取り組みです。記憶に残る商品としてお客様個人による積極的な発信が増えれば、知らず知らずのうちにブランドアンバサダーとしての役割を果たしてもらえるでしょう。

そのほか、リワードプログラムを用いて1顧客をファンに育てる手法や、SNSのモニタリングを活用してお客様のコメントや苦情に返信する手法など、リレーションシップマーケティングでは、さまざまなアプローチが可能です。

活用例から学ぶ

では、具体的にリレーションシップマーケティングの手法を使ったキャンペーン例を見てみましょう。

「Few and Far Between」:ジャックダニエル

米国に本社を置く酒造メーカー「ジャックダニエル」は、2014年にお酒にまつわる思い出を共有するキャンペーンを展開しました。お酒を好む人の多くは、親しい仲間と飲んでいるときに起こった「面白いエピソード」を人に話したがるもの。そこに目をつけたジャックダニエルは、「お酒を飲みながら起こった面白いことや思い出」を集めるソーシャルキャンペーンを行います。集められたストーリーを抜粋し紹介したことが話題となり、注目を集める結果となりました。

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紹介されたストーリーのなかには、ジャックダニエルを飲んでいるときに限らず、他社メーカーのお酒を飲んでいるときのエピソードも含まれていたという点が興味深いところです。すべてに共通するのはお酒にちなんだエピソードであり、SNS上での拡散が期待される話題性があるという点のみ。「ジャックダニエル」を前面に出さないにもかかわらず、居酒屋での思い出のなかに自社商品をイメージさせ、お客様との関係性を育むというスマートなキャンペーンになっています。もしこのキャンペーンが「ジャックダニエルを飲んだときだけ」のストーリーだけに焦点を当てていたとしたら、広告感が強くなってしまい、これほど話題を呼ぶような結果にはならなかったのかもしれません。

自社製品やサービスを記憶に残し、定期的に思い出してもらえるようなきっかけを作ることで、お客様の離反を防ぎ、長期的な利用を期待できるという一例と言えるでしょう。

お客様と共有できる感情ポイントを探す

リレーションシップマーケティングを成功させるには、いかにお客様の心に響く方法を選択するかにかかっています。自社がお客様の感情につながるポイントを探すことが最初の一歩です。顧客データを分析し、あらゆるツールを使いながら、どんなポイントでお客様の心を動かすのかを探りながら、丁寧な取り組みを続けてください。

参考:

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